令和6年版厚生労働白書 全体版 (118 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
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現在、SODA では、足立区での取組みの
いった社会になっていけたら」。内野室長は、
検証を進めながら、東邦大学医学部が行う他
最後にそう穏やかに語ってくれた。
の自治体等へのコンサルティングにも協力し
ているという。今後、こうした取組みが多く
こころの不調に対する早期対応や予防の意識
の地域に広がり、悩みを抱える若者達の身近
が高まれば、社会も少しずつ変わっていくの
なところに「保健室のような相談窓口」が増
ではないだろうか。
えていくことが期待される。
第
このようなつながりを起点に、地域の中で
章
2
こころの健康に関する取組みの現状
③
依存症を抱える人への支援と周囲の理解を深める取組み
(依存症は、適切な治療とその後の支援によって、回復可能な疾患である)
前章第 1 節で近年の薬物事犯の状況について確認したが、ここでは、薬物を含め、アル
コールやギャンブル等の自分の意思ではやめられなくなってしまう「依存症」という疾患
に罹った人たちに対する支援の取組みについて触れておきたい。なお、薬物対策について
は次節で詳しくみていく。
人は誰しも、不安や緊張を和らげたり、嫌なことを忘れたりするために、ある特定の行
為をすることがあるが、それを繰り返しているうちに脳の回路が変化して、自分の意思で
はやめられない状態になってしまうことがある。前章第 2 節でみたように、これを依存症
というが、アルコール、薬物、ギャンブル等の依存症は、適切な治療とその後の支援に
よって、回復可能な疾患である。
厚生労働省では、依存症対策地域支援事業により、都道府県と指定都市等における依存
症相談員を配置した相談拠点の設置を進めているほか、依存症を抱える人やその家族が、
適切な治療や相談支援を受けることができるよう、依存症専門医療機関や依存症治療拠点
機関、依存症の相談拠点の整備を進めるとともに、自助グループを含む民間団体への支援
を通じて地域体制の整備を行っている(図表 2-1-6)。
さらに、我が国では、独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターを依存症対策全国
拠点機関と位置づけ、アルコール、薬物、ギャンブル等に対応した相談・治療等について
オンライン等を活用した指導者の育成や情報発信等を行い、依存症治療・支援体制の整備
を推進している。
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