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令和6年版厚生労働白書 全体版 (130 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して
雇用管理上講ずべき措置等についての指針概要 令和2年1月15日厚生労働省告示第5号

1.職場におけるパワーハラスメントの内容
<職場におけるパワーハラスメントとは>




2

○ 職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えた
ものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①~③までの要素を全てみたすもの。
→ 客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、該当しない。

こころの健康に関する取組みの現状

職場におけるパワハラの
3要素

具 体 的 な内 容

① 優越的な関係を背景とし
た言動

○ 当該事業主の業務を遂行するに当たって、当該言動を受ける労働者が行為者に
対して抵抗又は拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景として行われるも

(例)
・ 職務上の地位が上位の者による言動
・ 同僚又は部下による言動で、当該言動を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、
当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの
・ 同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの 等

② 業務上必要かつ相当な範
囲を超えた言動

○ 社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、又
はその態様が相当でないもの

③ 労働者の就業環境が害さ
れる

○ 当該言動により労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環
境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者
が就業する上で看過できない程度の支障が生じること
○ この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、同様の状況で当
該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の
支障が生じたと感じるような言動であるかどうかを基準とすることが適当

○ 個別の事案の判断に際しては、相談窓口の担当者等が相談者の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止
めなどその認識にも配慮しながら、相談者及び行為者の双方から丁寧に事実確認等を行うことも重要。

2

2.職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関し雇用管理上講ずべき措置
(1)事業主の方針の明確化及びその周知・啓発

①職場におけるパワハラの内容・パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発すること
②行為者について厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、労働者に周知・啓発すること

(2)相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

③相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること
④相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること
職場におけるパワハラの発生のおそれがある場合や、パワハラに該当するか否か微妙な場合であっても、広く相談に
対応すること

(3)職場におけるパワーハラスメントにかかる事後の迅速かつ適切な対応
⑤事実関係を迅速かつ正確に確認すること
⑥速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うこと ⑦行為者に対する措置を適正に行うこと
⑧再発防止に向けた措置を講ずること ※⑥⑦は事実確認ができた場合、⑧はできなかった場合も同様

(4)(1)から(3)までの措置と併せて講ずべき措置

⑨相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること
⑩相談したこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること

3.職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関し行うことが望ましい取組
○ セクハラ、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント等と一元的に相談に応じることのできる体制の整備
○ 職場におけるパワハラの原因や背景となる要因を解消するための取組
・ コミュニケーションの活性化・円滑化のための研修等や、適正な業務目標の設定等の職場環境の改善のための取組

○ 労働者や労働組合等の参画を得つつ、アンケート調査や意見交換等を実施するなどにより、雇用管理上の措置の
運用状況の的確な把握や必要な見直しの検討等に努める

4.自らの雇用する労働者以外の者(就活生等)に対する言動に関し行うことが望ましい取組
○ 職場におけるパワハラを行ってはならない旨の方針の明確化等を行う際に、他の事業主の雇用する労働者、
就職活動中の学生等の求職者、個人事業主、インターンシップを行う者等に対しても同様の方針を併せて示す
○ 雇用管理上の措置全体も参考にしつつ、適切な相談対応等に努める

5.他の事業主の雇用する労働者等からのパワーハラスメントや顧客等からの著しい迷惑行為
(いわゆるカスタマーハラスメント)に関し行うことが望ましい取組
○ 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備 ○ 被害者への配慮のための取組
○ 被害防止のための取組(マニュアル作成や研修の実施等、業種・業態等の状況に応じた取組)

資料:厚生労働省雇用環境・均等局作成

(精神障害の労災認定基準においても、パワーハラスメントが明確化・具体化された)
なお、パワーハラスメント防止対策の法制化に伴い、2020(令和 2)年度に精神障害
の労災認定の基準を改正し、「パワーハラスメント」について認定基準に明記した。さら

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