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令和6年版厚生労働白書 全体版 (335 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

4 災害医療
災害時における医療対策として、災害拠点病院の整
備(2023(令和 5)年 4 月 1 日現在 770 か所)、災害
派遣医療チーム(DMAT*3)の養成等を進めてきた
(2023 年 4 月 1 日現在 1,773 チームが研修修了)。ま
た、災害時に様々な救護班の派遣調整業務等を行う地
域の医師等(災害医療コーディネーター)の養成につ
いては、災害時に地域単位の細やかな医療ニーズ等に対応するため、都道府県単位に加え
て、地域単位で実施する研修を支援している。さらに、災害時における医療機関の被災情
報や活動状況など災害医療に関わる情報を提供・収集・共有するため、広域災害・救急医
療情報システム(EMIS)を整備している。
2017(平成 29)年度から業務継続計画(BCP)策定の促進を目的とした研修を実施
し、これまでに 1,916 医療機関、3,753 名が受講している(2023 年 4 月 1 日現在)。また、
近年の全国各地における台風や豪雨等による被災状況を踏まえ、2022(令和 4)年度よ
り災害拠点病院の指定要件に浸水対策を講じることを位置づけた。
2022 年度からは、DMAT 研修に感染症専門医等が監修した新興感染症に関する内容
を追加するなど研修の充実を進めた。
集団災害発生時における精神保健医療への需要拡大に対応するため、災害派遣精神医療
チーム(DPAT*4)の養成を進めている。2024 年 3 月に一部改正した「災害派遣精神医療

ている。加えて、東日本大震災や平成 28 年熊本地震において、被災した精神科病院から
ことを踏まえ、災害時における精神科医療を提供する上で中心的な役割を担う災害拠点精
神科病院の整備を進めている。
2022 年の「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」
(平成 10 年法
律第 114 号)により、DMAT、DPAT 先遣隊、災害支援ナース*5 の研修を受け、登録さ
れた医師・看護師等について、
「災害・感染症医療業務従事者」として医療法に位置づけ、
国による研修及び訓練等の支援の規定を設けた。
5 新興感染症医療
新興感染症発生・まん延時における医療については、新型コロナウイルス感染症への対
*3

*4

*5

国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現

の患者受入れや精神症状の安定化等について、災害拠点病院のみでは対応が困難であった

6



DPAT 事務局の整備や、専門的な研修・訓練による DPAT の全国における養成等を行っ



チーム(DPAT)活動要領」に基づき、効率的な派遣システムの構築・運用のため、

DMAT:「Disaster Medical Assistance Team」の略。災害拠点病院等において、原則 4 名の医師・看護師等により構成され、災害発
生後直ちに被災地に入り、被災地内におけるトリアージや救命処置、被災地内の病院の支援等を行うもの。出動の際には、独立行政法人
国立病院機構本部 DMAT 事務局が、DMAT 派遣の要請等について厚生労働省の本部機能を果たし、活動全般についての取組みを行うと
ともに、被災地域の各都道府県下に、DMAT 都道府県調整本部が設置され、管内等で活動する全ての DMAT の指揮及び調整、消防等関
連機関との連携及び調整等を行う。その際、一定の研修を修了した DMAT 隊員である統括 DMAT が、責任者として DMAT の指揮、調
整等を行う。
DPAT:「Disaster Psychiatric Assistance Team」の略。災害時に、被災地域の精神保健医療ニーズの把握、他の保健医療体制との連
携、各種関係機関等とのマネージメント、専門性の高い精神科医療の提供と精神保健活動の支援活動を行うために、専門的な研修・訓練
を受けた災害派遣精神医療チームのこと。精神科医師、看護師、業務調整員の 3 から 4 名程度で構成される。DPAT のうち、発災から概
ね 48 時間以内に、被災した都道府県において、本部機能の立ち上げや急性期の精神科医療ニーズへの対応等を行う隊を「DPAT 先遣隊」
として位置づけている。
災害支援ナース:災害や新興感染症の発生時に他の医療機関等への応援派遣に適確に対応できる看護職員をいう。これまでボランティア
活動として解されていたことから、2024 年 4 月からは、医療法に基づく「災害・感染症医療業務従事者」に位置づけられることとなっ
た。

令和 6 年版

厚生労働白書

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