令和6年版厚生労働白書 全体版 (360 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
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機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく、地域づくりなどの高齢者
本人を取り巻く環境へのアプローチも含めたバランスのとれたアプローチを行うことが重
要との考えに基づき、年齢や心身の状況等によって分け隔てることなく、住民主体の通い
の場を充実させ、人と人とのつながりを通じて、参加者や通いの場が継続的に拡大してい
くような地域づくりを市町村が中心となって推進している。
通いの場がある市町村は、62.2%(2013(平成 25)年度)から 97.6%(2022(令和
4)年度)となり、通いの場の箇所数は 43,154 か所(2013 年度)から 145,641 か所
(2022 年度)へと増加の傾向にある。また、高齢者人口に占める参加者の割合は 6.2%
(2022 年度)であり、都道府県別にみると地域差がある状況である。
このため、厚生労働省では、全国で取組みを更に広げていく観点から、通いの場の好事
例の紹介や、企業、団体、自治体等における介護予防・高齢者生活支援に資する優れた活
動等の奨励・普及を目的とした表彰等を行っている。
一般介護予防事業等の取組みは、介護予防に加え、地域づくりの推進という観点からも
保険者等の期待の声も大きく、また、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施の動向
も踏まえ、更なる推進が期待される。
このような状況から、厚生労働省では、2019(令和元)年 12 月の「一般介護予防事業
等の推進方策に関する検討会」の取りまとめを踏まえ、多様な通いの場の展開を図るた
め、2021(令和 3)年 8 月に「通いの場の類型化について(ver.1.0)
」を公表し、先進的
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な事例等を紹介するなど、引き続き市町村における地域の実情に応じた効果的・効率的な
介護予防の取組みを推進している。
また、高齢者の健康維持に参考となる情報や好事例などを掲載する特設 Web サイトや
国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現
アプリの活用など広報の充実も行ってきた。
(2)自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化等の取組みの推進
高齢化が進行する中で、地域包括ケアシステムを推進するとともに、制度の持続可能性
を維持するためには、市町村の保険者機能を強化し、高齢者の自立支援・重度化防止に向
けた取組みを推進することが重要である。
このため、全市町村が保険者機能を発揮し、自立支援・重度化防止に取り組むよう、
①データに基づく課題分析と対応
②適切な指標による実績評価
③取組み実績に応じた市町村・都道府県に対する財政的インセンティブの付与
という仕組みを「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法
律」(平成 29 年法律第 52 号。以下「地域包括ケア強化法」という。)により制度化するこ
ととした。
また、市町村の人員体制やノウハウの蓄積等の状況は地域によって様々であるため、厚
生労働省や都道府県が積極的かつ丁寧に支援していくことが必要である。具体的には、都
道府県が市町村を支援することを法律上に明記し、都道府県による市町村職員に対する研
修の実施、医療職等の派遣に関する関係団体との調整等を行うこととした。また厚生労働
省は、市町村が多角的に地域課題を分析することを支援するとともに、都道府県職員に対
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厚生労働白書