販売、地域密着等の経営特質を活かしながら、顧客満足や付加価値を高めていくことが求
められる。また、高齢化等の進行により、地域で身近に必要な商品・サービスの提供が得
られにくくなる、いわゆる「買物弱者等」問題も懸念されている。生衛業の多くは住民に
身近な事業者であり、買物弱者等対策のほか、地域の健康づくりや地域コミュニティの活
性化等に積極的に貢献していくことが期待される。
生衛業の振興については、こうした課題も踏まえ、生活衛生関係営業対策事業費補助金
における先進的モデル事業（特別課題）により各営業が抱える課題に対応していくととも
に、生活衛生関係事業者の連携促進を通じた地域活性化等の施策を進めている。また、日
本政策金融公庫の政策金融では、生衛業の経営者に対して事業の振興や経営改善のために
低利での融資を実施するとともに、従業員の雇用確保等のため賃上げを行う際の特別貸付
を実施している。
図表 7-13-1
地域で身近
な業種

健康で安全な生活の確保

生活衛生関係営業の概要

地域で身近な生活衛生関係営業の事業所数

事業所数

945 千店

種別

事業所数

1中学校区
あたりの数

1 中学校区
あたりの数

93.8 店

飲食店（喫茶店を除く）

440 千店

43.7 店

従業者数

5,869 千人

美容業

162 千店

16.1 店

理容業

87 千店

8.6 店

喫茶店

59 千店

5.9 店

洗濯業

43 千店

4.3 店

宿泊業

45 千店

4.5 店

食肉販売業

15 千店

1.5 店

一般公衆浴場

2 千店

0.2 店

興行場（映画館を含む）

5 千店

0.5 店

その他

87 千店

8.6 店

経営特質
（強み）

第
章

7

身近な生活衛生関係営業

経営課題
（弱み）

■
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専門性、技術
対面販売（顔の見えるサービス）
独自性、個性
個別ニーズ対応、小回り
地域密着、地域性
顧客基盤、つながり、温もり

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■
■

大規模チェーン店等との競争激化
小規模零細、経営基盤の脆弱性
経営者の高齢化、後継者の確保難
市場の成熟
顧客の価格志向

（注） 事業所数及び従業者数は総務省・経済産業省「令和３年経済センサス - 活動調査」を基に厚生労働省で再編加工（「氷
雪販売業」は含まない）、「1 中学校区あたりの数」は文部科学省「令和３年度学校基本調査」の中学校数を基に算出
事業所数は端数処理して記載

2 旅館業法等の改正について

「生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るための旅館業法等の

一部を改正する法律」
（令和 5 年法律第 52 号。以下「旅館業法等改正法」という。）につ
いては、第 211 回国会（通常国会）において、政府案を一部修正の上、2023（令和 5）
年 6 月 7 日に可決成立し、同月 14 日に公布され、同年 12 月 13 日に施行された。
旅館業法等改正法では、旅館業の施設における感染防止対策の充実、カスタマーハラス
メントへの対応、差別防止の更なる徹底等を規定するとともに、生活衛生関係営業者等が
必要に応じて円滑に事業譲渡を行うことができるよう営業者の地位の承継について規定し
ている。

418

令和 6 年版

厚生労働白書