令和6年版厚生労働白書 全体版 (174 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
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章
3
こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に
情報共有の一環として、1 年目の社員に日
務形態を全社員に適用したが、新入社員への
報を書いてもらうことも始めた。内容は、そ
対応で四宮さんの印象に特に残っていること
の日の業務に関することだけでなく、目にと
があるという。オンライン面接を経て即採
まったニュースや読んだ感想についても書い
用、そのまま地方の居住地でテレワーク勤務
てもらうことにした。新しい情報に常にアン
をしてもらったある社員のことだ。優秀な社
テナを張ってもらい、関心を持ってほしいと
員だったため、成果物は期日までにきちんと
いう思いからだ。若手社員にとっても、日報
出てくる。しかし、フルリモートという状況
について先輩社員から反応をもらえること
からか、いつしか孤独感やプレッシャーを積
で、オンライン上でのコミュニケーションに
み重ねていた。四宮さんがそのことに気づい
入りやすくなり、また、担当業務のことや自
たのは、その社員が突然退職を申し出たとき
分自身のことを知ってもらえることで、チー
だった。フルリモートでの働き方やマネジメ
ムとのつながりを感じることもできる。
ントの難しさが感じられるエピソードだ。
ウィズコロナ・ポストコロナへと社会が変
化する中で、ジョイゾーでは、1 年目の社員
には出社とテレワークのハイブリッドな働き
方を推奨している。
現在は、個々の事情によりフルリモートに
近い勤務状態の社員もいるが、ジョイゾーに
おけるオフィスの位置づけは、
「仕事に行く
場というよりも、会いに行く場」だ。オフィ
ス内ではフリーアドレスが採り入れられ、ま
た、業務終了後には、社員同士でレクリエー
業務キャパシティを数値化する
働く場所に関わらず、各社員の一週間の業
務キャパシティが数値化されているのもジョ
イゾーの特徴だ。社員は、自分のキャパシ
ティの中で、その業務にどれくらい労力がか
かりそうか、結果、どれくらい労力がかかっ
たかを、予定と実働でそれぞれ数値化する。
それにより、チーム内で、誰が、どれくらい
「特に新人の社員には、リアルなコミュニ
ケーションを大切にしている社風であるとい
うことを最初に説明しています。また、リ
モートありきではない、出社のメリットも伝
えています」。四宮さんはそう話した。
ワーケーションも活用しながら
ジョイゾーは、北海道と新潟県にサテライ
の業務量を抱えているかが、一目でわかるよ
トオフィスを設置している。通常は、当地で
うになっている。上司は、キャパシティを超
働く社員の仕事場だが、北海道オフィスを利
過気味の社員を早めに把握し、定例のミー
用して、社員研修を兼ねたワーケーションを
ティングとは別に、個別面談の場で状況を確
実施した。
認し、必要があれば速やかに状況の改善を図
2020(令和 2)年からは、個々の社員の
る。
希望で、ワーケーションが可能な制度を設
「その社員にとって、業務が多いのか、難
け、ワーケーション手当も支給するようにし
しい業務なのか、もしくは学びが必要なの
た。
か。大切なことは、成果を出してもらうため
サテライトオフィスで通常働く社員も、よ
に、どういった状況にあるのかを把握するこ
く東京オフィスを訪れ、社員同士で「会いに
とです」。四宮取締役副社長はそう話す。
行く」コミュニケーションを楽しんでいる。
会いに行くオフィス
コロナ禍の中では、フルリモートという勤
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ションを楽しむこともある。
令和 6 年版
厚生労働白書
働く場所を問わない業務管理や働き方を導
入しつつ、テレワークの経験から得られたリ
アルの大切さを社員としっかり共有する。こ