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令和6年版厚生労働白書 全体版 (418 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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対策を実施してきている。

(1)サリドマイドによる胎児の障害

1959(昭和 34)年頃から妊娠中の母親がサリドマイド製剤(鎮静催眠剤など)を服用

したことにより、四肢、耳などに重篤な障害のある子どもが出生した事件で、1974(昭
和 49)年 10 月に和解が成立した。和解に基づいて設立された「サリドマイド福祉セン
ター」(公益財団法人いしずえ)では、和解一時金の一部を長期継続年金として被害者に
支給するとともに、国の補助を受けて被害者の生活全般に関する相談・生活支援のための
事業を実施している。

(2)キノホルム製剤によるスモンの発生

1953(昭和 28)年頃から発生した腸疾患加療中に神経炎症状や下半身麻痺症状を併発

した原因不明の疾病(スモン=亜急性脊髄視神経症)は、その後キノホルム剤(整腸剤)
が原因であると判明し、1979(昭和 54)年 9 月に和解が成立した。国は介護費用の支給
費の一部を負担するとともに、難病対策(特定疾患治療研究事業)の一環としての医療費
健康で安全な生活の確保



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の公費負担、厚生労働科学研究費補助金による調査研究、はり、きゅう、マッサージの利
用料補助などの事業を実施している。2012(平成 24)年には、公的支援の内容をまとめ
た「スモン手帳」をスモン患者に配布した。

(3)非加熱血液製剤による HIV 感染

血友病治療のために血液製剤を使用していた患者が製剤に含まれた HIV に感染した事

件で、1996(平成 8)年 3 月に和解が成立した。国では、エイズ発症者健康管理手当・
エイズ発症予防のための健康管理費用の支給を行うとともに、国立国際医療研究センター
にエイズ治療・研究開発センターを設置し、全国 8 地域に整備された地方ブロック拠点病
院、各都道府県の中核拠点病院及び地域のエイズ治療拠点病院の連携をもとに、必要な医
療の確保に努めている。さらに、遺族に対する相談会の開催や医療に関する相談窓口の設
置、被害者団体を通じた被害者に向けた医療・福祉・生活面での相談援助事業を実施して
いる。2016(平成 28)年 3 月には、公的支援の内容をまとめた「血友病薬害被害者手帳」
を被害者に配布した。

(4)ヒト乾燥硬膜によるクロイツフェルト・ヤコブ病

脳外科手術に使用したヒト乾燥硬膜「ライオデュラ」を介してクロイツフェルト・ヤコ

ブ病(CJD)を発症した事件で、2002(平成 14)年 3 月に和解が成立した。国は CJD 患
者の安定した療養を確保するため、専門医による在宅医療支援チームの派遣体制を整備す
るとともに、CJD 患者と家族・遺族の福祉の向上を図るため、遺族自身による電話相談
を中心としたサポート・ネットワーク事業に対する支援を行っている。

(5)フィブリノゲン製剤等による C 型肝炎ウイルス感染

出産や手術等の際に使用した血液製剤に含まれていた C 型肝炎ウイルスに感染した者

に対しては、
「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤による C 型肝炎感

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令和 6 年版

厚生労働白書