令和6年版厚生労働白書 全体版 (162 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
趣旨
○
令和4年6月に公表された「地域で安心して暮らせる精神保健
医療福祉体制の実現に向けた検討会」報告書では、精神保健に関
する課題が市町村における母子保健、介護、困窮者支援等の分野
を超えて顕在化しており、市町村における相談支援体制整備の重
要性が示された。
第
○ 一方で、専門職の配置、財源の確保、精神科医療機関との連携、
保健所・精神保健福祉センターからのバックアップ体制の確保に
課題があることが指摘されたことから、市町村には精神保健に関
する相談支援を積極的に担うための具体的かつ実行的な方策が求
められている。
3
章
○
こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に
○
令和4年12月には「障害者の日常生活及び社会生活を総合的
に支援するための法律等の一部を改正する法律」が成立し、精神
保健及び精神障害者福祉に関する法律第46条において、市町村
等が実施する精神保健に関する相談支援について、精神障害者の
ほか精神保健に課題を抱える者も対象にできるようにするととも
に、これらの者の心身の状態に応じた適切な支援の包括的な確保
を旨とすることを明確化するための規定を新設した。
そのため、本検討チームにおいては、今後の市町村における精
神保健に係る相談支援体制整備を推進するための具体的な方策に
ついて検討することを目的とする。
検討事項
○
○
相談支援体制に関する課題の整理
相談支援体制整備を推進するための方策
開催経緯
令和5年2月
令和5年7月
令和5年8月
令和5年9月
第1回:現状及び課題、今後の検討の進め方
第2回:相談支援体制の整備、相談支援を担う人材の育成
第3回:相談支援体制の整備、相談支援を担う人材の育成
第4回:本検討チーム報告書(案)
構 成 員 (◎は座長、○は座長代理
○ 岩上 洋一
五十音順、敬称略)
一般社団法人 全国地域で暮らそうネットワーク
代表理事
岡部 正文
特定非営利活動法人 日本相談支援専門員協会
理事
岡本 秀行
全国精神保健福祉相談員会
疾病対策課 主査
小幡 恭弘
公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会
(みんなねっと) 事務局長
桐原 尚之
全国「精神病」者集団 運営委員
小阪 和誠
一般社団法人 日本メンタルヘルスピアサポート
専門員研修機構 代表理事
近藤 桂子
元生駒市福祉健康部 部長
高山 美恵
富士河口湖町役場住民課
野口 正行
岡山県精神保健福祉センター
理事/川口市保健所
課長
所長
◎ 藤井 千代
独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター
精神保健研究所 地域精神保健・法制度研究部
部長
古谷 靖子
高島市健康福祉部高齢者支援局地域包括支援課
課長
1
市町村における精神保健に係る「相談支援
アップを受けること、都道府県と連携して国
体制の整備」及び「相談支援を担う人材の育
の既存事業を活用すること等の必要性も示さ
成」という 2 つの論点について議論を重ね、
れた。
2023 年 9 月に報告書がとりまとめられた。
本稿では、議論の中身を含めた当該報告書の
一部を紹介する。
1.相談支援体制の整備
2.相談支援を担う人材の育成
体制整備の推進には、人材の育成も重要な
要素となる。
基本的に専門職か否かに関わらず、精神保
まず、厚生労働科学研究班において、相談
健に関する知識等の水準の引き上げ、潜在
支援に必要な機能をその流れに沿って「受け
ニーズに気づく力を備えるためには、研修等
とめ」、「気づき」、「アセスメント」
、
「プラン
が必要であることが示唆された。
の立案及び実行」
、
「連携及び調整」の 5 つに
また、検討チームでは、構成員が共通認識
整理したものが検討チームに提示された。こ
を持って議論ができるよう、相談支援に携わ
れらの機能の実効性を担保していくために
る人材を機能別に三層に整理した。整理され
は、各項目の具体的な実施主体や方法等を検
た各層の機能や人材育成の具体策は、下記の
討する必要があるとされ、本検討チームで
通りであった。
は、これから精神保健に係る相談支援体制整
備に着手する市町村に向け、体制の中にこれ
らの機能を位置づける際の一助となるよう、
専門職に限らない全自治体職員のことを指
厚生労働科学研究班が類型化した横断的連携
し、精神保健部門のみならず、それ以外の部
体制のイメージ図について議論し、報告書に
門の窓口等において地域住民のニーズに気づ
も掲載された。
き、適切な相談先や支援につなげる機能を有
さらに、保健師等の確保やそれらの職種を
146
①精神保健のニーズに気づく職員
する。
相談支援部門に配置すること等の保健の軸を
育成の具体策としては、心のサポーター養
作る必要があること、市長村単独ではなく、
成研修等の既存研修を受講することや、精神
保健所や精神保健福祉センターからのバック
保健福祉相談員の講習に含まれる基礎的事項
令和 6 年版
厚生労働白書