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令和6年版厚生労働白書 全体版 (72 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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1

MEMO

-君を守りたい-
きみまも@歌舞伎町

こころの健康を取り巻く環境とその現状

東京都では、様々な不安や悩みを抱えた青

「 東 京 都 で は、 こ の 結 果 等 も 踏 ま え、

少年が、SNS 等を通じて、いわゆる「トー

2024(令和 6)年 5 月末に常設の窓口を設

横」(※)に集まり、児童買春等の犯罪被害

置した。今後も各種取組みを推進することと

に遭う事案が発生していることから、2023

している。」

(令和 5)年に有識者からなる協議会で議論

(※)「トー横」とは、東京都新宿区歌舞伎

し、その答申を踏まえ、各種取組みを進めて

町の「新宿東宝ビル」の横のこと。

いる。
その一環として、同年 8 月、青少年の被害
の実態や対策について周知・啓発するため、
有識者や著名人を招き、啓発イベント「-君
を守りたい-

きみまも@歌舞伎町」を開催

した。
また、2024(令和 6)年 1 月には、悩み
を抱える若者が気軽に相談できる窓口「きみ
まも@歌舞伎町」を期間限定で設置した。
この窓口では、軽食を無料で提供したほ
か、関係機関・民間団体と連携し、社会福祉
士等の資格を持った専門員が相談対応に当た
るなど、青少年が気軽に立ち寄りやすい環境
づくりに配慮した。
窓口には多くの若者が訪れ、なかには徐々
に相談員と打ち解け、具体的な相談に至り、
支援に繋がった例もあった。

4 社会的障壁と共生社会

本白書の「はじめに」でも触れたように、こころの健康と社会とのつながりには相互性

があり、同じ社会に暮らす隣人のこころの健康に対して、私たち一人ひとりは決して無関
係ではない。こころの不調の発生要因となるストレスには、心理的、社会的な要因があ
り、たとえば、労働者が感じているストレスの内容は多様であるものの、対人関係に関す
るものが少なくないことや、心身の健康への深刻な影響も懸念される孤独・孤立という状
態は社会との関係のなかで生まれる「関係性の貧困」ともいえる痛みや辛さを伴うもので
あることなどを具体的にみてきた。
こうした対人関係や社会との関係に伴うこころの不調は誰にでも起こりうるものである
が、ここでは、心理的、社会的ストレスに関連し、障害のある人にとって社会生活を営む
ことの支障となるような社会の側の「壁」である社会的障壁について触れておきたい。
社会的障壁とは、障害のある人にとって日常生活または社会生活を営む上で障壁となる
ような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものを指す。これは、「障害者
権利条約」の理念である障害の「社会モデル」の考え方を踏まえたものである。障害の
「社会モデル」とは、障害者が日常生活または社会生活で受ける様々な制限は、心身の機

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令和 6 年版

厚生労働白書