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令和6年版厚生労働白書 全体版 (362 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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3 認知症施策の推進

認知症は誰もがなりうるものであり、多くの人にとって、身近なものとなっているとい

う認識の下、政府においては、2015(平成 27)年に「認知症施策推進総合戦略~認知症
高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~」(新オレンジプラン)、2019(令和元)年に
「認知症施策推進大綱」等を策定し、取組みを進めてきた。
こうした中、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができること、認
知症の人を含めた全ての国民がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重
しつつ支え合いながら共生する活力ある社会(以下「共生社会」という。
)の実現を推進
することを目的とする「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」
(令和 5 年法律
第 65 号。以下「認知症基本法」という。)が 2023(令和 5)年 6 月に成立し、2024(令
和 6)年 1 月に施行された。
認知症基本法の施行に先立ち、2023 年 9 月からは、内閣総理大臣主宰のもと、認知症
の人やその家族、有識者等を構成員とする「認知症と向き合う『幸齢社会』実現会議」が
開催され、同年末の取りまとめにおいては、認知症と共に希望をもって生きるという「新
しい認知症観」の理解促進を認知症の人の発信等を通じて進めることや、認知症の人やそ
の家族の参画の下で施策を進めることの重要性が示された。
2024 年 1 月には、認知症基本法に基づき、内閣総理大臣を本部長とする「認知症施策
推進本部」が設置され、同年 3 月からは、認知症の人やその家族、保健医療福祉従事者等



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から構成される「認知症施策推進関係者会議」が開催されている。これらの議論を踏ま
え、同年秋頃の「認知症施策推進基本計画」の策定を目指すこととされている。
また、認知症基本法では、共生社会の実現の推進という目的に向け、国・地方が一体と

国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現

なって施策を講じるため、都道府県・市町村においても、認知症の人やその家族等の意見
を聴いた上で「認知症施策推進計画」の策定に努めることとされており、厚生労働省にお
いては、策定に必要な経費を支援するなど自治体との連携を図っている。
さらに、アルツハイマー病の原因に働きかけて病気の進行自体を抑制する薬として、国
内で初めて承認された医薬品であるレカネマブが 2023 年末に保険収載され、投与が開始
されたことも踏まえ、地域の認知症医療の中核である認知症疾患医療センターの整備を含
め、より安全かつ安心な医療介護体制の整備を進める。
認知症治療の新時代の到来を踏まえ、引き続き必要な早期発見、検査・医療サービス等
が提供される体制整備や治療薬の更なる研究開発を進めていくとともに、自治体とも連携
しながら、認知症施策の総合的な推進に取り組んでいく。

4 介護現場の生産性向上の推進

(1)生産性向上

介護人材の確保が喫緊の課題であり、介護職員が行うべき業務の切り分けや、各現場の

課題・ニーズに応じたテクノロジーの活用などを通じて、介護サービスの質の維持・向上
を図りつつ、介護職員の負担軽減や職場環境の改善を通じて、働きやすい職場環境づくり
を一層推進するためにも、生産性向上の取組みは重要である。
そのため、2020(令和 2)年度から継続して介護現場の生産性向上に関する全国セミ

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令和 6 年版

厚生労働白書