よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和6年版厚生労働白書 全体版 (80 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。




1

COVID-19 の影響)のうち、中間評価を受

の結果という前提ではあるが、海外の先行研

けた 2 名にも複雑性 PTSD 症状の改善が認め

究と同等の効果が期待できることが示唆され

られた。

た。

こころの健康を取り巻く環境とその現状

加えて、治療期間中に重篤な有害事象は認
められなかった。

今後は、STAIR Narrative Therapy の有
効性をより厳格な方法で検証するために、ラ
ンダム化比較試験(無作為化比較試験。研究

研究の意義・今後の展望
この臨床試験の参加者は、長期にわたる持
続的な虐待を経験している者であったが、安

の対象者を 2 つ以上のグループにランダムに
分け(ランダム化)、効果を検証すること)
を検討している。

全を保ちながら治療を進めることができ、複
雑性 PTSD をはじめ、様々な精神症状や生活

(参考)国 立研究開発法人国立精神・神経医

機能の改善が認められた。本研究の結果か

療研究センター『複雑性 PTSD 治療

ら、STAIR Narrative Therapy は 複 雑 性

前進へ〜心理療法(STAIR Narrative

PTSD の患者にも適用可能であり、少人数で

Therapy)の成果〜』

(6)摂食障害

摂食障害とは、体重や体型に対する異常なこだわりや完璧主義的思考、低い自尊心など

により、食事に関連した行動の異常が続き、心身に影響が及ぶ病気の総称である。
具体的には、極端に食事を制限する、過度に食べてから体重の増加を防ぐための代償行
動(嘔吐や下剤乱用など)を繰り返すなど、さまざまな症状があり、神経性やせ症、神経
性過食症、過食性障害などに分類される。
摂食障害は 10 代から 20 代の若者に多くみられ、女性の割合が高いが、誰にでも発症し
うる。我が国の摂食障害患者数は約 22 万人と推計されている。

(7)様々な依存症

依存症とは、特定の物質や行為にこころを奪われ、使っているうちにだんだんと脳の回

路が変化し、自分ではやめられなくなってしまう病気のことである。依存症には、
「物質
への依存」と「プロセスへの依存」がある。
物質への依存は、依存性のある物質を何回も摂取することで、以前と同じ量や回数では
満足ができなくなってしまう依存症である(一部の物質依存では、使う量が増えないこと
もある)。主な対象として、アルコールや薬物(違法薬物、市販薬)などがある。他方で、
プロセスへの依存は、物質ではなく特定の行為や過程に必要以上に熱中してしまう依存症
であり、のめりこむ、強い刺激を求める、いつも頭から離れないなどの症状が現れる。主
な対象として、ギャンブルやゲームがある。
近年の依存症患者数の推移をみると、物質への依存であるアルコール依存症と薬物依存
症の患者数はいずれも横ばい傾向にあり、プロセスへの依存であるギャンブル等依存症の
患者数についても同様の傾向がみられる(図表 1-2-3)。

64

令和 6 年版

厚生労働白書