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令和6年版厚生労働白書 全体版 (37 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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第1部

こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に

このように、就業という側面からウェルビーイングの向上を図っていくためには、働き

必要と考えられる*19。
一方で、裏を返せば、このような環境整備や雇用管理等が不十分な場合には、就業とい
うライフイベントがこころの不調をきたすストレス要因ともなり得ることに留意しなけれ
ばならない。
以下では、働く人を取り巻くストレスの現状について確認し、雇用される労働者の労働
時間や睡眠時間、そして職場におけるハラスメントについて整理した上で、フリーランス
として働く人に対するハラスメントの状況についても取り上げる。

(1)労働者を取り巻くストレスの現状

こころの健康を取り巻く環境とその現状

の環境整備や、企業による個人の希望・特性等に応じた雇用管理等を推進していくことが

1



方を労働者が主体的に選択し、円滑な移動や転換、マルチキャリアパスを可能とするため



イジメント・スコア*17 との間には正の相関がある可能性が示唆されている*18。

(ストレスを感じている労働者の割合は、2022(令和 4)年は 82.2%であった)
厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)
」によると、仕事や職業生活に関すること
で強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は、2022(令和 4)年は 82.2%
であった(図表 1-1-16)

ストレスの内容を年代別にみると、20 歳未満から 40 歳代までは、
「仕事の失敗、責任
の発生等」が最も高く、次いで「仕事の量」となっている。一方、50 歳代は「仕事の量」
が最も高く、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」が高くなっている。なお、60 歳以上
はストレスと感じる事柄を 1 つも選択しなかった人が最も多かったが、ストレスがある人
のストレスの内容では、「仕事の質」が最も高く、次いで「対人関係(セクハラ・パワハ
ラを含む。
)」となっている(図表 1-1-17)。
また、就業形態別にみると、正社員は「仕事の量」

「仕事の失敗、責任の発生等」の順
に高くなっているが、契約社員や派遣労働者では「雇用の安定性」の割合が高い傾向があ
り、特に派遣労働者では突出して最も高い(図表 1-1-18)。
このように、ストレスを感じている労働者は非常に多いが、その要因や背景は、年代や
就業形態などにより多様であることが分かる。

* 17 ワ ー ク・ エ ン ゲ イ ジ メ ン ト の 測 定 に 当 た っ て は、 ユ ト レ ヒ ト・ ワ ー ク・ エ ン ゲ イ ジ メ ン ト 尺 度(Utrecht Work Engagement
Scale:UWES)が最も広く活用されており、通常、「活力」
「熱意」
「没頭」といった下位因子を 17 項目の質問で測定している。その他、
UWES では、3 つの因子を 3 項目ずつ、合計 9 項目の質問で測定できる短縮版、合計 3 項目の質問で測定できる超短縮版(Ultra-Short
Measure)も開発されている。
* 18 「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」第Ⅱ部第 3 章第 3 節参照。
* 19 「雇用政策研究会報告書 人口減少・社会構造の変化の中で、ウェル・ビーイングの向上と生産性向上の好循環、多様な活躍に向け
て」
(2019 年 7 月)。

令和 6 年版

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