令和6年版厚生労働白書 全体版 (18 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
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「あなたは、健康ですか?」
そう問われたら、皆さんはまず何を思い返すだろうか。大きな怪我や病気はしていない
し、学校や職場にも毎日通えている、ご飯も残さず食べられるし、最近は朝夕の散歩も欠
かさない…。たしかに、どれも健康に関わる大切な要素である。
1948 年に発効した世界保健機関(WHO)憲章には、次のような記載がある。
“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not
merely the absence of disease or infirmity.”
日本 WHO 協会の訳をお借りすると、
「健康とは、病気ではないとか、弱っていないと
いうことではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状
態にあること」だといえる*1。
我が国では、国民の心身の健康増進に関する取組みが早くから進められてきた。近年で
は、2000(平成 12)年度から始まった「21 世紀における国民健康づくり運動(健康日
本 21)」が挙げられる。健康寿命の延伸や生活の質の向上などを目指して進められてきた
この運動は、現在、2013(平成 25)年度からの 10 年間取り組んだ健康日本 21(第二次)
の最終評価や社会の変化を踏まえ、2024(令和 6)年度から始まる健康日本 21(第三次)
として、誰一人取り残さない健康づくりと、より実効性をもった取組みの推進を通じた総
合的な健康増進に向かって、新たなスタートを切ったところである。
健康日本 21(第三次)の方向性は、下図に示されるとおりであり、国民一人ひとりの
健康への取組みの基盤として、社会とのつながりやこころの健康の維持・向上などの社会
環境の質の向上が必要とされている。このことは、こころの健康は、人間の健康を支える
土台であるとともに、社会とのつながりにも深く関係していることを示唆しているともい
えよう。
健康日本21(第三次)の概念図
全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現のために、以下に示す方向性で健康づくりを進める
健康寿命の延伸・健康格差の縮小
生活習慣の
改善
(リスク
ファクター
の低減)
生活習慣病
(NCDs)の
発症予防
生活習慣病
(NCDs)の
重症化予防
生活機能の維持・向上
個人の行動と健康状態の改善
自然に
健康になれる
環境づくり
社会環境の質の向上
社会とのつながり・こころの健康の
維持及び向上
誰もがアクセスできる
健康増進のための基盤の整備
ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり
資料:厚生労働省健康・生活衛生局作成
*1
2
1998 年の第 101 回 WHO 執行理事会において、
「spiritual(霊的)と dynamic(動的)」を加えた新しい健康の定義が検討されたが、
その後の世界保健総会(WHO 総会)において審議した結果、採択が見送られた経緯がある。日本 WHO 協会のウェブサイトでは、
「WHO 憲章の健康の定義を不変のものとして捉えるのではなく、時代や環境に即して変化するなかで、健康とは何かという真摯な議論
を続けていく姿勢が求められ」るとされている。
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厚生労働白書