よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和6年版厚生労働白書 全体版 (394 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

ステージが変化する中で発症することから、成人のがんとは異なる対策が求められる。
こうした現状を踏まえ、2012(平成 24)年度に全国 15 か所の小児がん拠点病院を指
定(2018(平成 30)年、2022(令和 4)年にそれぞれ指定要件を改定し全国 15 か所を
再指定)し、2013(平成 25)年度には小児がん拠点病院を牽引し全国の小児がん医療の
質を向上させるため、2 か所の小児がん中央機関を指定した。2019(令和元)年度には
小児がん拠点病院がそれぞれの地域ブロックで指定要件を定めた上で、小児がん連携病院
の指定を開始(2023(令和 5)年 9 月時点で全国 143 か所)し、地域における小児がん
診療のネットワーク化が進められている。
高齢者のがん対策について、がん対策推進協議会での議論を踏まえ、それぞれの状況に
応じた適切ながん医療が受けられる体制の整備や、患者やその家族等の意思決定支援に係
る取組みを引き続き推進していく。

(5)がん登録の推進

がん登録は、がんの罹患、診療、転帰などに関する情報を登録する仕組みであり、我が

国のがん対策や質の高いがん医療を実施するため、また、国民への情報提供を通じてがん
健康で安全な生活の確保



7

に対する理解を深めるために必要なものである。
2013(平成 25)年 12 月に「がん登録等の推進に関する法律」(平成 25 年法律第 111
号)が議員立法により成立し、
「全国がん登録」と「院内がん登録」が実施されている。
全国がん登録は、2016(平成 28)年 1 月から、それまで健康増進法(平成 14 年法律
第 103 号)に基づき各都道府県で実施されてきた「地域がん登録」から移行する形で開
始した。全ての病院と指定された診療所にがん患者の情報の届出が義務づけられており、
2016 年の全国がん罹患数が 2019(平成 31)年 1 月に初めて公表され、がん登録情報の
提供が開始された。
院内がん登録は、がん診療連携拠点病院等におけるがんの罹患、診療、転帰などに関す
る詳細な情報を登録する仕組みである。院内がん登録の実施は、拠点病院の指定要件とし
ており、院内がん登録の集計結果などを国立がん研究センターに情報提供することなどを
義務づけている。
また、厚生労働科学研究事業の報告等を踏まえ、厚生科学審議会がん登録部会で 2021
(令和 3)年 12 月から現行制度における課題について議論を行い、その検討結果として
2023(令和 5)年 10 月に「全国がん登録及び院内がん登録に係る課題と対応方針中間と
りまとめ」が取りまとめられた。

(6)がんと診断された時からの緩和ケアの実施

緩和ケアについては、2017(平成 29)年に「がん等の診療に携わる医師等に対する緩

和ケア研修会の開催指針」を発出し、がん診療に携わる医師などを対象とした基本的な緩
和ケアに関する知識や技術を身につけるための緩和ケア研修を行っている。2023(令和
5)年 9 月末時点で累計約 18 万人がこの研修を修了している。また、拠点病院において、
緩和ケアに関する専門的な知識及び技能を有する医師や看護師などから構成される緩和ケ
アチームや緩和ケア外来を整備し、入院・外来問わず、専門的な緩和ケアを提供するため
の体制が構築されている。このほか、一般国民を対象とした、緩和ケアや医療用麻薬に関

378

令和 6 年版

厚生労働白書