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令和6年版厚生労働白書 全体版 (234 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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(2017(平成 29)年 4 月からは「過重労働特別対策室」
)を設置
② 2016(平成 28)年 12 月に決定された「
『過労死等ゼロ』緊急対策」に基づき、2017
(平成 29)年 1 月から、



1

・使用者向けの新たな「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する
ガイドライン」による労働時間の適正把握の徹底
・長時間労働等に係る企業本社に対する指導

働き方改革の推進などを通じた労働環境の整備など

・企業名公表制度(違法な長時間労働が複数の事業場で行われた企業について、その事
実を広く社会に情報提供することにより、他の企業における遵法意識を啓発する等の
観点から、都道府県労働局長が企業の経営トップに対し指導し、その企業名を公表す
る制度)の強化
③ 2018(平成 30)年 4 月から、全ての労働基準監督署において、「労働時間改善指導・
援助チーム」を編成し、
・長時間労働の是正及び過重労働による健康障害の防止を重点とした監督指導
・「労働時間相談・支援コーナー」を設置し、法令に関する知識や労務管理体制が必ず
しも十分でないと考えられる中小規模の事業場に対して、法制度の周知を中心とした
きめ細やかな支援
などの取組みを順次実施している。
さらに、賃金不払残業の解消を図るためには、各企業において労働時間を適正に把握す
る必要があることから、ガイドラインを幅広く周知・徹底するとともに的確な監督指導等
を実施している。

(2)経済情勢を踏まえた労働基準行政等の対応

いかなる経済情勢の下においても、全ての労働者が安心して働くことができるように、

労働基準法等で定める法定労働条件は確保されなければならない。
このため、労働基準監督署では、各種情報から法定労働条件の遵守の状況に問題がある
と考えられる事業場に対して監督指導を実施し、労働基準関係法令を遵守するよう指導す
るとともに、企業倒産等に伴い賃金の支払を受けられないまま退職した労働者の救済を図
るため、未払賃金立替払制度により迅速かつ適正な立替払を実施している。
賃金不払が疑われる事業場に対して、迅速かつ的確に監督指導を実施するとともに、度
重なる指導にもかかわらず法令違反を是正しないなど、重大・悪質な事案に対しては厳正
に対処している。
2022(令和 4)年中に全国の労働基準監督署の指導により、賃金が支払われ、解決さ
れた件数は 19,708 件であり、対象労働者数は 17 万 5,893 人、支払われた賃金の合計額
は約 79 億 5 千万円となっている。
2019(平成 31)年 1 月には、裁量労働制の不適正な運用が複数の事業場で認められた
企業に対する指導の実施及び企業名の公表の仕組みを定め、裁量労働制の適正な運用を
図っている。
また、解雇や雇止め、労働条件の引下げ等については、労働契約法や裁判例等に照らし
て、適切な取扱いが行われることが重要である。
なお、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主に対しては、雇用調

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令和 6 年版

厚生労働白書