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令和6年版厚生労働白書 全体版 (395 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

する正しい知識を身につけるための普及啓発にも取り組んでいる。

(7)がん患者の治療と仕事の両立の推進

がん医療の進歩により、がんは長く付き合う病気となり、がん患者・経験者が、働きな

がらがん治療を受けられる可能性が高まっている。このため、がんになっても安心して生
活し、尊厳を持って生きることのできる地域共生社会の構築が重要となっている。2016
(平成 28)年 2 月には、企業における治療と仕事の両立支援の取組みを促進するため、
「事
業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」を策定した。また、2017
(平成 29)年度に、がん患者などのおかれた事情を総合的に把握するためのツールとして、
「治療と仕事両立プラン」を開発し、2018(平成 30)年度及び 2019(平成 31)年度に、
そのプランを活用した就労支援を行う「がん患者の仕事と治療の両立支援モデル事業」を
実施した。同モデル事業のノウハウを各地に広めていけるよう「がん患者の就労に関する
総合支援事業」などの取組みを行っている。第 4 期基本計画においても、
「がんとの共生」
を柱の一つとして位置づけ、がん患者等の社会的な問題への対策として引き続き、就労支
援について取り組むとしており、医療機関等と産業保健との一層効果的な連携等について

(8)がん研究の推進

がん研究は、文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣の 3 大臣確認の下、2014(平

成 26)年 3 月に策定した「がん研究 10 か年戦略」を基軸として、健康・医療戦略に基づ
く医療分野の研究開発に関する方針を踏まえ、根治を目指した治療法の開発に加え、患者
とその家族等のニーズに応じた苦痛の軽減や、予防と早期発見、がんとの共生といった観
プロジェクト」として、基礎研究の有望な成果を臨床研究などへ導出し、がん医療の実用

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化を加速させてきた。2023(令和 5)年 4 月から、
「今後のがん研究のあり方に関する有



点を重視して推進している。また、本戦略に基づき、
「ジャパン・キャンサーリサーチ・

健康で安全な生活の確保

検討を行い、がん患者の就労支援を推進していく。

識者会議」を開催し、これまでのがん研究の評価や今後のあるべき方向性などを議論し、
「今後のがん研究のあり方について」
(2023 年 10 月)を取りまとめた。本報告書を踏まえ、
内閣府特命担当大臣(科学技術政策)
、文部科学大臣、厚生労働大臣及び経済産業大臣は、
第 4 期基本計画に基づき、我が国全体で進めるがん研究の今後のあるべき方向性と具体的
な研究事項等について、2024(令和 6)年度からの「がん研究 10 か年戦略(第 5 次)」を
策定した。今後、本戦略を踏まえ、内閣府、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省が一
体となって、がん研究を推進していく。

2 循環器病対策について

我が国において、脳血管疾患は死因の第 4 位、心疾患は第 2 位であり、両疾患を合わせ

て年間 34 万人以上が亡くなっている。また、これらの疾患は介護が必要となる主な原因
となっている。こうした状況を踏まえ、
「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病
その他の循環器病に係る対策に関する基本法」
(平成 30 年法律第 105 号)が議員立法によ
り成立し、本法律に基づく「循環器病対策推進基本計画」が 2020(令和 2)年に閣議決
定された。2023(令和 5)年 3 月に閣議決定された第 2 期の計画においても、
「循環器病

令和 6 年版

厚生労働白書

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