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令和6年版厚生労働白書 全体版 (182 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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MEMO



世界精神保健連盟が、1992(平成 4)年

デー(国際記念日)とされており、同日に合

より、メンタルヘルス問題に関する世間の意

わせ、厚生労働省では、世界メンタルヘルス

識を高め、偏見をなくし、正しい知識を普及

デーの普及啓発に関するイベントを開催し、

することを目的として、10 月 10 日を「世界

メンタルヘルスに関する普及啓発に取り組ん

メンタルヘルスデー」と定め、その後、世界

でいる。

保健機関(WHO)も協賛し、正式な国際



3

世界メンタルヘルスデー

こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に

2 性別役割分業意識を乗り越える必要性

(1)性に中立的なライフイベントから生じるストレスを誰が引き受けているの

(子育てと介護のダブルケアをしている人は、約 20 万人で 6 割が女性)

第 1 章でみたように、子育て世帯で仕事をしている女性は、
「仕事のある日」において、
概ね育児時間が長いほどディストレス(抑うつ・不安)の高得点層が多いという傾向が認
められた。他方で、共働き世帯の育児時間は妻のほうが夫よりも 3 倍程度長く、現状では、
共働きをしている子育て世帯において、女性は子育てに関するディストレスを抱えやすい
状況にあるといえる。
近年、晩婚化や高齢社会の進展により、子育て世帯が同時に親の介護を担っている場合
も少なくない。総務省「令和 4 年就業構造基本調査」によると、未就学児の育児をしなが
ら、家族の介護をしている者(ダブルケアをしている者)は、令和 4(2022)年時点で
20.1 万人となっており、男女別にみると、女性が 6 割、また、年代別では 30 代後半と 40
代前半が多くなっている。
このように、ストレス要因にもなりうるライフイベントが同時並行することは、その担
い手のこころの健康に一層大きな負担をもたらしうるが、本来性別に関係なく経験されう
る子育てや介護といったライフイベントが、依然、主に女性によって担われており、女性
のこころに負担をかけているということに、改めて留意しなければならない。

(2)若い世代に根づきつつある新たな人生観

(育児などを「自分が率先してするべき」と考える人は、20 代ではほぼ男女差がない)
OECD(経済協力開発機構)が 2021 年にまとめた生活時間の国際比較データによる
と、家庭内での子育てや介護などの無償労働を行う時間は、比較国のいずれの国も女性の
方が長かったが、男女比(男性を 1 とした場合の女性の比率)をみると、男女比が大きい
のは、比較国中、5.5 倍の日本、4.4 倍の韓国となっていた*11。こうした背景には、性別
役割分業意識などが指摘されているが、近年、変化の兆しもある。
内閣府が 2022(令和 4)年度に行った「新しいライフスタイル、新しい働き方を踏ま
えた男女共同参画推進に関する調査」によると、家事や育児などを「自分が率先してする
* 11 内閣府「男女共同参画白書」
(令和 5 年版)15 頁参照。

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令和 6 年版

厚生労働白書