令和6年版厚生労働白書 全体版 (84 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
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章
1
ラーメイドの精神療法の基礎技術を開発する
研究の展望
言語データの解析による人の精神的な状態
ものである。
こころの健康を取り巻く環境とその現状
たとえば、言葉と音の関係では、精神療法
の識別や治療予測の成果があげられれば、他
の中で話されたり、書かれたりする言葉(自
の様々なモーダル(例:表情、身振り、生体
然言語)のデータに機械学習等の AI 技術を
データ)への展開が期待される。また、精神
適用し、精神療法を受ける人の精神的な状態
のケアに限らず、人と人がコミュニケーショ
の識別や、精神療法の治療効果の予測を試み
ンをする様々な場面(例:教育、福祉、サー
ようとしている。
ビス業)において、本研究で開発された技術
こうした研究により、精神療法の多種・大
の適用が期待される。
量・高精細なデータを活用した、よりきめ細
やかな精神のケア(超高精細精神ケア)の実
(参考)学術変革領域研究(B)
『デジタル ‐
現を目指す。
人間融合による精神の超高精細ケア:多種・
大量・精密データ戦略の構築』
第3節
こころの健康が損なわれると
こころの健康が損なわれることの影響は、本人や家族はもとより、社会のなかにも様々
な形で現れている。本節では、地域や職場において、こころの不調の影響が現れていると
考えられる事象について取り上げるとともに、自殺の現状についてもみていく。
1 地域では
本項では、青年期の「若年無業者」
、壮年期・中年期にも及ぶ「ひきこもり」
、そして高
齢期・老年期の「生きがいの低下」についてみていく。
(1)若年無業者
(若年無業者が求職活動をしていない理由として、
「病気・けがのため」が多い)
総務省「労働力調査」によると、15~34 歳の若年無業者の数は、2022(令和 4)年平
均で 57 万人であり、15~34 歳人口に占める割合は 2.3%であった(図表 1-3-1)。また、
総務省「就業構造基本調査」によると、就業希望の若年無業者が求職活動をしていない理
由として、
「その他」を除くと、ほぼすべての年齢層で、
「病気・けがのため」が最も多い
(図表 1-3-2)。具体的な疾病名等は明らかではないものの、このなかには、こころの不調
と関連のあるものが含まれている可能性も推察されよう。
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