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令和6年版厚生労働白書 全体版 (366 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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7 章 健康で安全な生活の確保

第1節

健康危機管理・災害対策の推進

1 健康危機管理の取組みについて

厚生労働省においては、医薬品、食中毒、感染症、飲料水その他何らかの原因により生

じる国民の生命、健康の安全を脅かす事態に適切に対応できるよう、
「厚生労働省健康危
機管理基本指針」に基づき必要な体制を整備している。
具体的には、平素から、関係部局や国立試験研究機関等を通じて、内外からの健康危機
管理に係る情報を収集し、部局横断組織的に情報交換を行っている。有事の際には、対策
本部の設置、職員や専門家の現地派遣、国民への情報提供等について、検討、調整等が行
われる。
また、①健康危機情報の監視、②公衆衛生対応及び初動期医療の整備(通信環境や資材
健康で安全な生活の確保



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の整備、大規模イベントに備えた希少医薬品等の備蓄等)
、③危機管理関連の調査研究
(被害予測や対策等)
、④ガイドラインの整備、訓練・研修会の開催等を行い、平時から健
康危機管理に努めている。

2 災害対策の取組みについて

厚生労働省においては、「厚生労働省防災業務計画」に基づき、厚生労働省の所掌事務

に係る災害予防対策、災害応急対策及び災害復旧・復興に取り組んでいる。
近年、災害による甚大な被害が全国各地で発生している。こうした災害に備えるため、
厚生労働省では、医療施設、社会福祉施設、水道施設*1 等の耐震化や非常用自家発電設備
などの整備のほか、国土強靱化基本計画(令和 5 年 7 月 28 日閣議決定)を踏まえて、被
災地で活動する各種保健医療福祉活動チームの連携体制構築、迅速な災害対応のためのシ
ステムの構築等を行っている。
災害の発生時には、被災自治体、関係府省庁及び関係団体と連携し、発災直後から、緊
急的な医療対応や避難所等における健康管理、DMAT*2・DPAT*3・介護職員等の応援派
遣、応急給水や水道施設の復旧などの応急的な対応に取り組む。
また、復旧・復興期には、避難所等における生活環境の改善、応急仮設住宅における見
守りや日常生活上の相談支援等、中小企業・小規模事業者における雇用の維持や事業継続
への手厚い支援、医療施設・社会福祉施設等の迅速な災害復旧の推進等の、生活・生業の
*1
*2

*3

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令和 6 年版

水道整備・管理行政は、2024(令和 6)年 4 月から国土交通省及び環境省へ移管。
DMAT:「Disaster Medical Assistance Team」の略。災害拠点病院等において、原則 4 名の医師・看護師等により構成され、災害発
生後直ちに被災地に入り、被災地内におけるトリアージや救命処置、被災地内の病院の支援等を行うもの。出動の際には、独立行政法人
国立病院機構本部 DMAT 事務局が、DMAT 派遣の要請等について厚生労働省の本部機能を果たし、活動全般についての取組みを行うと
ともに、被災地域の各都道府県下に、DMAT 都道府県調整本部が設置され、管内等で活動する全ての DMAT の指揮及び調整、消防等関
連機関との連携及び調整等を行う。その際、一定の研修を修了した DMAT 隊員である統括 DMAT が、責任者として DMAT の指揮、調
整等を行う。
DPAT:「Disaster Psychiatric Assistance Team」の略。災害時に、被災地域の精神保健医療ニーズの把握、他の保健医療体制との連
携、各種関係機関等とのマネージメント、専門性の高い精神科医療の提供と精神保健活動の支援活動を行うために、専門的な研修・訓練
を受けた災害派遣精神医療チームのこと。精神科医師、看護師、業務調整員の 3 から 4 名程度で構成される。DPAT のうち、発災から概
ね 48 時間以内に、被災した都道府県において、本部機能の立ち上げや急性期の精神科医療ニーズへの対応等を行う隊を「DPAT 先遣隊」
として位置づけている。

厚生労働白書