令和6年版厚生労働白書 全体版 (96 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
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章
1
同法第 5 条において「指定調査研究等法人
の業務」とされているのは以下の 6 つの事業
である。
こころの健康を取り巻く環境とその現状
①自殺の実態、自殺の防止、自殺者の親族等
の支援の在り方、地域の状況に応じた自殺
対策の在り方、自殺対策の実施の状況等又
は心の健康の保持増進についての調査研究
及び検証を行い、並びにその成果を提供
し、及びその成果の活用を促進すること。
②前号に規定する調査研究及び検証を行う者
に対して助成を行うこと。
③自殺対策について、先進的な取組みに関す
る情報その他の情報の収集、整理及び提供
を行うこと。
④地域の状況に応じた自殺対策の策定及び実
施について、地方公共団体に対し、助言そ
の他の援助を行うこと。
⑤自殺対策について、地方公共団体の職員、
自殺対策に係る活動を行う民間の団体の職
員その他の関係者に対する研修を行うこ
と。
自殺対策に関する調査研究や地方公共団体
に対する助言等は、現場のニーズを踏まえ
て行われるべきであり、これを踏み外すこ
とがないよう JSCP は活動方針としてこの
点を掲げている。
④ EBPM(エビデンスに基づく政策形成の実
践)を推進して自殺総合対策における
「PDCA サイクルの牽引役」を担うこと。
自殺対策の「実践」と「研究」と「政策」
の連動性を高めることを通じて、JSCP は
我が国の自殺対策を常に進化させていくこ
とを目指している。
⑤海外に向けて政策輸出を積極的に行い「世
界的な自殺対策の推進役」を目指すこと。
自殺対策基本法等の政策的な枠組みを構築
して社会全体で自殺対策を推し進めようと
する取組みは世界的にも珍しく、JSCP は
これを海外にも広く伝えて世界的な自殺対
策の底上げを目指している。
⑥前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
多岐にわたる JSCP の活動
JSCP が掲げる 5 つの活動方針
例えば、研修に関しては、全国の自治体職員
これら 6 つの事業を的確かつ迅速に推進す
るため、JSCP では以下の 5 つの活動方針を
掲げている。
①我が国の自殺総合対策における「ハブ(つ
なぎ役)」の役割を果たすこと。
自殺の背景には様々な要因が潜んでおり、
様々な分野の関係者が連携して総合的に対
策を進める必要があり、JSCP がそのため
のハブ(つなぎ役)となることを目指して
いる。
②「生きることの包括的な支援」として、自
殺対策を幅広く総合的に推進すること。
自殺対策基本法第 2 条に謳われているよう
に、我が国の自殺対策は「生きることの包
括的な支援」として実施することとされて
おり、JSCP がこれを率先して行うことと
している。
③あ らゆる活動の原点に、
「いのち」と「対
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人支援や地域連携の現場」を据えること。
令和 6 年版
厚生労働白書
JSCP で行っている活動は多岐にわたる。
向け、自死遺族等支援を行う民間団体向け、
自殺未遂者支援に関する医療関係者向けや教
職員向け等に研修を行っている。
地方公共団体への支援に関しては、自殺実
態プロファイルの提供、自治体コンシェル
ジュを通じた個別対応や地域自殺対策推進セ
ンターを対象としたブロック会議などを実施
している。
調査研究等に関しては、コロナ禍における
自殺の動向に関する分析や自殺対策白書の特
集としてのこどもや女性の自殺に関する分
析、革新的自殺研究推進プログラムを通じて
自殺対策に関するエビデンスの確立、子ど
も・若者に対する自殺対策、自殺ハイリスク
群の実態分析とアプローチやビッグデータ・
AI 等を活用した自殺対策等の領域に関する
研究への助成を行っている。