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令和6年版厚生労働白書 全体版 (83 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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第1部

こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に


ビス

相談・支援
は、高次脳機能障害者への支援拠点機関の設

身体障害者手帳、療育手帳)による各種

置や支援コーディネーターの配置などによ

税金や公共料金等の控除や減免等のサー

り、高次脳機能障害者に対する専門的な相談

ビス

支援、関係機関との地域支援ネットワークの
充実、高次脳機能障害に関する研究等を行
い、高次脳機能障害のある方に適切な支援が

・介護保険制度による介護サービス
などを受けられることがある。
市区町村の障害福祉担当窓口に相談しなが

提供される体制を整備することとしている。

ら適切なサービスを利用してほしい。

その他支援制度

(参考)

高次脳機能障害のある方の年齢や障害の程
度、原因疾患等により、
・障害者総合支援法に基づく障害福祉サー

コラム

国立障害者リハビリテーションセンター高次
脳機能障害情報・支援センターHP
http://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/

1

こころの健康を取り巻く環境とその現状

・障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳、



障害者総合支援法に基づき、各都道府県

データと AI のかけ合わせによる精神ケアの革新へ

データと AI を活用して精神療法*1 の新た
なブレイクスルーを目指す研究が、国立精

自然言語)の直接データの収集による治癒
につながるプロセスの解明

神・神経医療研究センター(NCNP)の伊藤

②人工知能技術の適用による、精神療法を受

正哉博士を中心とする研究班で進んでいる。

ける人の精神的な状態の識別や、精神療法

その研究を紹介しよう。

の治療効果の予測
③コーパス(データベース)の整備とアルゴ

現状と課題
世界的にうつ病や不安症など幅広い精神疾
患の有病割合は下がっていない。背景には、

リズムの開発により、人間の負荷を大幅に
軽減したデジタル上での専門家訓練や治療
提供

有効な精神療法が開発されてきたものの、一

④人 間同士、人間-マシンとのあらゆるコ

部の人には効果がなく、治癒につながるプロ

ミュニケーション場面の応用技術(例:高

セスが不明なため、多くの者に有効な精神療

度な感情認識、早期介入や予防、セルフケ

法が提供できていないという課題があった。

ア)

課題の解決に向けて

この研究は、うつ病や不安症に対する精神

こうした課題を受け、伊藤博士らのグルー

療法の臨床試験において、10 年以上蓄積さ

プでは、以下の 4 つの解決法を目指し、研究

れた高品質なビッグデータに AI を適用させ

を行っている。

ることにより、精神症状や治療反応の識別と

①精神療法中のコミュニケーション(音声・

予測を実現し、デジタル技術を活用したテイ

*1

治療者が心理的な手段を用いて患者の心身に働きかける療法

令和 6 年版

厚生労働白書

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