令和6年版厚生労働白書 全体版 (343 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
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現下の政策課題への対応
機関である公益財団法人日本医療機能評価機構が医療機関からの報告を基に、定量的、定
性的な分析を行い、その結果を 3 か月ごとに報告書として公表している。また、個別の医
療行為のリスク低減を目的とした医療安全情報を作成し、事業参加医療機関等に対し、情
報提供を行っている。さらに、Web 上に報告事例のデータベースを構築し、蓄積された
医療事故情報等が公開データとして検索できるようになっている。
5 特定機能病院のガバナンス改革
特定機能病院は、医療施設機能の体系化の一環として、高度の医療の提供、高度の医療
技術の開発及び高度の医療に関する研修を実施する能力等を備えた病院について、厚生労
働大臣が個別に承認するものであり、2022(令和 4)年 12 月 1 日現在、88 病院を承認し
ている。
大学附属病院等において医療安全に関する重大事案が相次いで発生したことを踏まえ、
特定機能病院の承認要件について、医療安全管理責任者を配置すること等の見直しを行う
とともに、特定機能病院の管理者は病院の管理運営の重要事項を合議体の決議に基づき行
うこと等を義務づけている。
また、2021(令和 3)年の省令改正により、第三者による病院の機能評価を受け、当
該評価及び改善のため講ずべき措置の内容を公表し、並びに当該評価を踏まえ必要な措置
を講ずるよう努めることを承認要件として追加した。
第
6 産科医療補償制度*11
産科医療補償制度が開始されている。産科医療補償制度は、分娩に関連して発症した重度
分析を行い、将来の同種事例の防止に資する情報を提供することにより、紛争の防止・早
期解決及び産科医療の質の向上を図ることを目的としている。なお、この制度の補償の対
象は、分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児であり、その申請期限は、満 5 歳の誕生日
までとなっている。
また、補償対象基準について医学的な見地から見直しを求める意見があり、有識者から
なる検討会等で議論のうえ、2022 年 1 月以降に出生した児については、低酸素状況を要
件としている個別審査を廃止し、一般審査に統合して、「在胎週数が 28 週以上であるこ
と」を基準とする見直しが行われた。
7 医療安全に関する国際的な取組み
国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現
脳性麻痺児とその家族の経済的負担を速やかに補償するとともに、脳性麻痺発症の原因の
6
章
安心して産科医療を受けられる環境整備の一環として、2009(平成 21)年 1 月から、
閣僚級世界患者安全サミットは医療安全の世界的な推進を目的に2016年に創設された。
2023 年 2 月には、第 5 回サミットが「Less Harm, Better Care–from Resolution to
Implementation」をスローガンにスイスで開催され、過去のサミット同様、医療におけ
る避けうる有害事象から生じる負荷への認識を高め、患者安全強化のための戦略的取組み
を促進した。
第 6 回サミットは、2024 年 4 月にチリでの開催が決定されている。
* 11 産科医療補償制度の詳細を紹介したホームページ
http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/index.html
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厚生労働白書
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