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令和6年版厚生労働白書 全体版 (382 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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感染症については、日本国内に広く生息するマダニがその病原体を媒介している。野外作
業や農作業、レジャー等で、これらのダニの生息場所に立ち入ると、ダニに刺されること
がある。ダニに刺されない予防措置を講じるとともに、仮に症状が出た場合には、早期に
医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要であることから、厚生労働省では、従
前より予防啓発資材を活用した注意喚起を行っている。
SFTS については、2013(平成 25)年 1 月に国内で初めて感染者が確認されて以降、
西日本を中心に、2023(令和 5)年 10 月 31 日現在、930 人の感染者(うち死亡者 103
人)が報告されており、マダニの活動が活発な春から秋にかけて感染者が多く発生してい
る。感染者の多くは、マダニに刺されて感染すると考えられるが、稀に、発症したネコや
イヌの体液などを介してヒトに感染することから、厚生労働省では、獣医療関係者など
に、感染予防措置を講じるよう注意喚起を行っている。
厚生労働省では、これらのダニ媒介感染症について注意喚起や情報収集を行うととも
に、調査研究を推進している。

9 HTLV - 1 対策について
健康で安全な生活の確保



7

ヒト T 細胞白血病ウイルス- 1 型(HTLV - 1)の感染者は、全国に約 66 万人いると

の推定が報告されており、そのうち一部の患者については、成人 T 細胞白血病(ATL)
や HTLV - 1 関連脊髄症(HAM)といった重篤な疾病を発症する。
2010(平成 22)年 12 月に取りまとめられた「HTLV - 1 総合対策」において、国は、
地方公共団体、医療機関、患者団体などと密接な連携を図り、総合対策を強力に推進する
こととされている。
具体的な対策として HTLV - 1 抗体検査を妊婦健康診査の標準的な検査項目に追加し、
2011(平成 23)年度から、HTLV - 1 母子感染対策事業として、都道府県において
「HTLV - 1 母子感染対策協議会」を開催するとともに、医師、助産師、市町村職員など
に対しての研修や妊婦などへの普及啓発を実施している。また、都道府県等に対して、保
健所における HTLV - 1 検査や相談への補助事業を行うとともに、厚生労働省のホーム
ページに専用ページを作成するなど、普及啓発・情報提供を行っている*18。
さらに、2011 年度より厚生労働科学研究費補助金や国立研究開発法人日本医療研究開
発機構において、治療法などの研究を戦略的に推進している。
加えて、2023(令和 5)年度からは、更なる普及啓発や講習会の開催・相談体制の整
備を行うため、HTLV - 1 普及啓発事業を開始した。

10 予防接種施策について

(1)予防接種施策の現状について

感染症の発生とまん延の予防を目的として、一定の疾病に対しては、市町村を実施主体

とした定期の予防接種が、予防接種法(昭和 23 年法律第 68 号)に基づき行われている。
その対象は、ジフテリア、百日せき、急性灰白髄炎(ポリオ)、麻しん、風しん、日本脳
炎、破傷風、結核、Hib 感染症、小児の肺炎球菌感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、
* 18 HTLV - 1(ヒト T 細胞白血病ウイルス 1 型)に関する情報
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou29/

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令和 6 年版

厚生労働白書