令和6年版厚生労働白書 全体版 (20 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
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こころの健康とこころの不調の関係
本白書では、「こころの健康」を、
「人生のストレスに対処しながら、自らの能力を発揮
し、よく学び、よく働き、コミュニティにも貢献できるような、精神的に満たされた状
態」と定義して用いている。これは、世界保健機関(WHO)が 2022 年に刊行した報告
書 “World mental health report: Transforming mental health for all”( 以 下
「WHO2022 報告書」という。)で用いられている用語である mental health の定義を参
考にしているものである。同報告書では、mental health について、「健康とウェルビー
イングに不可欠な要素」であり、「精神障害(mental disorder)の有無に関わりなく定
義されるものである」とされており、本白書でもこころの健康をそのように捉えている。
また、本白書では、「こころの不調」を、
「精神障害や社会的障壁により継続的に日常生
活または社会生活に相当な制限を受ける状態を指し、重大な苦痛、機能障害、自傷行為の
リスクを伴う精神状態を含むもの」と定義して用いている。これは、WHO2022 報告書
で用いられている用語である mental health condition の定義を参考にしているもので
ある。
この場合の精神障害とは、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」により分
類された障害や疾患を指す(ICD や代表的な精神疾患については第 1 章第 2 節参照)。ま
た、社会的障壁とは、精神障害のある人にとって日常生活または社会生活を営む上で障壁
となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものを指し、たとえばス
ティグマ(差別や偏見)もこれに含まれる(社会的障壁については第 1 章第 1 節 4 参照)。
下図は、
「こころの健康」と「こころの不調」の関係性について、WHO2022 報告書に
基づき整理した概念図である。こころの不調がない人ほどこころの健康の水準が高い場合
が多い(左上の領域)ことは言うまでもないが、精神障害を含むこころの不調を抱える人
であっても高い水準でこころの健康を保持することも可能(右上の領域)である。
こころの健康とこころの不調の関係性
こころの健康の
水準が高い
こころの不調がない人ほど、こころ
の健康の水準が高いことが多い
こころの不調を抱える人で
あっても、こころの健康の
水準が高いことはありうる
こころの不調の
重篤な症状がある
こころの不調の
症状がない
こころの不調がない人であっても、こころ
の健康の水準が低いことはありうる
こころの不調を抱える人ほど、こころ
の健康の水準が低いことが多い
こころの健康の
水準が低い
資料:WHO2022 報告書に基づき、厚生労働省政策統括官付政策立案・評価担当参事官室作成
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令和 6 年版
厚生労働白書