令和6年版厚生労働白書 全体版 (375 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
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現下の政策課題への対応
を改正し、直接服薬確認療法(Directly Observed Treatment, short-course:DOTS)
を、地域の関係機関が連携し、患者の生活環境に合わせて実施することや、患者数に見
合った結核医療提供体制を確保すること等について盛り込んだ。さらに、第 9 回厚生科学
審議会結核部会(2018(平成 30)年 2 月 26 日)においては、80 歳以上の高齢者への対
策強化や入国前スクリーニングを推進していく方針を固めた。入国前スクリーニングにつ
いては、現在、開始に向けて関係省庁や関係機関等の協力を得ながら取り組んでいるとこ
ろである。
また、多剤耐性結核治療及び潜在性結核治療について、新たな知見の登場により関係学
会が治療指針の見直しや治療に対する考え方を新たに公表したことを受けて、2021(令
和 3)年 10 月 18 日付けで結核医療の基準(平成 21 年厚生労働省告示第 16 号)の一部を
改正した。
厚生労働省としては、健康診断、公費負担医療、予防接種、DOTS による対策、地域
医療連携体制の強化、入国前スクリーニングなど、総合的な結核対策を推進していく。
予防接種については、2013(平成 25)年度から、小児結核に対する予防効果、接種後
の副反応(骨炎、骨髄炎)
、予防接種スケジュールの観点から検討し、その対象者を「生
4 エイズ(AIDS/後天性免疫不全症候群)対策について
国連合同エイズ計画(Joint United Nations Programme on HIV/AIDS:UNAIDS)
によると、全世界のヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus:HIV)
感染者は、2022(令和 4)年末で 3,900 万人に上ると推計されている。
我が国の状況を見ると、2022 年の新規 HIV 感染者/エイズ患者報告数は 884 件とな
血液凝固因子製剤の投与に起因する感染者数 1,440 件を除く。)となっている。新規 HIV
7
章
感染者/エイズ患者報告数は、2016(平成 28)年から 6 年連続での減少となった。その
第
り、累積 HIV 感染者報告数は 22,863 件、累積エイズ患者報告数は 10,558 件(いずれも
健康で安全な生活の確保
後 6 月に至るまでの間にある者」から「生後 1 歳に至るまでの間にある者」に変更した。
うち、エイズを発症した状態で HIV に感染していると診断される者が約 3 割を占めてお
り、これは多くの人が HIV に感染していることを早期に発見するための検査の受診機会
を逸していることによるものであると考えられる。こうした状況を踏まえ、引き続きエイ
ズ対策の充実・強化が必要である。
我が国のエイズ対策は、
「後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針」(平成
30 年厚生労働省告示第 9 号)に沿って講じられており、国と地方の役割分担の下、人権
を尊重しつつ、普及啓発及び教育、検査・相談体制の充実、医療の提供などの施策を進め
ている。
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厚生労働白書
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