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令和6年版厚生労働白書 全体版 (154 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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連携にも力を入れている。利用者が安心して
就活に取り組むためには、医療や福祉など多
面的な協力を得ながら、利用者の暮らしから



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整えることが大切だと考えているからだ。個
の違いに応じて環境の側から整えていく。こ
うした取組みで、2023 年度の就労移行率は

こころの健康に関する取組みの現状

77%となっている。

は、センターの利用当時の記録を確認し、本
人が受け取りやすいフィードバックの方法を
助言したり、スタッフが同席する場で企業か
ら本人に直接伝えてもらうことを提案してい
る。
就労移行支援は長くても 2 年間。だからこ
そ、障害のある方が当たり前に働き、企業が
当たり前にサポートする関係がこの先も築か
れていくように、本人とも、企業とも、
「自
立」を促す関わり方を意識しながら、
「少し
ずつ離れていく」ことを心がけている。

障害があっても、こころは健康でいられ
る。理解と支援の大切さ。

「こころの状態ですか?ここに通ってから、

ずっとよくなりました。」 笑顔でそう教えて
くださったのは、40 代の利用者 A さんだ。
うつ病を抱える A さんは、センターの利用

人はおなじ。障害があっても、なくても。

前はしばらくひきこもりのような状態で自信
を持てずにいた。利用者同士で障害のことを

雇用先企業へのサポートも、センターの重

隠さずに話せる雰囲気や、否定的なことを言

要な役割だ。利用者の就職が決まると、企業

わないスタッフの和やかさに支えられて、今

担当者、利用者、スタッフの 3 者で入社前面

では週 5 日、継続して通っている。

談を行う。独自の「職場での合理的配慮ガイ

「実習先で、障害のない人が普通に働いて

ドブック」
(※)を用いて、通勤や仕事内容、

いる職場に身を置いたとき、『ああ、職場に

作業環境や対人関係などの項目ごとに、利用

戻れた』という自信が沸いたんです。それが

者の就職後に起こりうる「困りごと」を整理

こころの安定につながっています。」まもな

していく。この面談により、企業は、本人が

く就職を迎える A さんの表情には、成果を実

自ら対処できる範囲を知り、また、会社とし

感できたことへの自信が表れていた。

て支援が必要な配慮事項にも前もって準備が
できる。
「雇用してくださった企業の担当者様から、
こうした取組みを『障害のない社員へのマネ
ジメントにも活かしている』という嬉しいご
報告をいただいたこともあります。
」セン
ター長の一宮さんは、そのように話す。
働く人に個々の事情があることは、何も特
別なことではない。社員それぞれの事情にで
きるだけ配慮した職場づくりは、障害の有無
にかかわらず、全ての働く人にとって働きや
すい職場になるはずだ。
企業からは、本人に改善を求める際の伝え

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センター内はフリーアドレスで、利用者同士の自然な情
報交換を促している。

方について、悩みが寄せられることもある。

障害について自然に話せる社会であるため

「伝えたら本人が傷つくのではないか。セン

には、障害に対するスティグマ(差別や偏

ターから伝えてもらえないか。
」そんなとき

見)を克服していくことが必要だ。

令和 6 年版

厚生労働白書