令和6年版厚生労働白書 全体版 (374 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
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結核は、かつて「国民病」ともいわれ、我が国の死因第 1 位を占めるなど、国民の生命
と健康を脅かす感染症の一つとして恐れられていた。1951(昭和 26)年に結核予防法が
制定され、国を挙げての取組みにより、患者数が大幅に減少するなど、結核をめぐる状況
は飛躍的に改善され、2007(平成 19)年には結核予防法を感染症法に統合し、他の感染
症とともに総合的な結核対策を行うこととなった。2014(平成 26)年には、感染症法を
改正し、保健所や医療機関・薬局などとの連携の強化を法律に位置づけ、結核の患者に対
する服薬確認などを通じた支援体制の強化を図ることとした。
近年では患者数は減少傾向にあり、2021(令和 3)年、10 万人あたりの罹患率は 9.2
となり、結核低まん延国の水準を達成し、その後 2022(令和 4)年も罹患率 8.2 と更に
低下した。一方で、年間約 1 万人の患者が新たに発生(図表 7-3-2)するなど、結核は依
然として我が国の主要な感染症である。
図表 7-3-2
結核患者の発生数の推移
健康で安全な生活の確保
70
100
患者数(万人)
60
結核病床利用率(%)
約59万人
90
80
50
70
60
第
40
7
50.4%
50
章
30
40
27.4%
20
30
20
10
0
約5万3千人
10
約1万人
1951(昭和 26)年
1989(平成元)年
2022(令和4)年
0
資料:厚生労働省「2022 年結核登録者情報調査年報集計結果」及び「2022 年病院報告」より
厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課作成
特に、結核患者の高齢化が進み、結核だけでなく他の疾患を同時に加療する必要がある
など、患者の背景が複雑化しているほか、若年層の外国人においても結核患者が増加傾向
にあるなどの課題も生じてきており、引き続き対策を講ずる必要がある。このほか、患者
の減少に伴う結核病床の利用率の低下などにより、結核病棟を閉鎖する医療機関が相次ぐ
など、地域によっては結核医療へのアクセスの悪化が懸念されている。
こうした状況を踏まえ、2016(平成 28)年 11 月、
「結核に関する特定感染症予防指針」
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