令和6年版厚生労働白書 全体版 (332 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
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6 章 国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現
第1節
地域における医療・介護の総合的な確保の推進
1 医療及び介護の総合的な確保の意義
我が国の医療・介護の提供体制は、世界に冠たる国民皆保険を実現した医療保険制度及
び 2000(平成 12)年に創設され社会に定着した介護保険制度の下で、着実に整備されて
きた。一方、高齢化の進展に伴い疾病構造が変化し、これに併せて必要な医療・介護ニー
ズが変化するなど、医療・介護の提供体制を取り巻く環境は大きく変化している。
いわゆる団塊の世代が全て 75 歳以上となる 2025(令和 7)年にかけて、65 歳以上人
口、とりわけ 75 歳以上人口が急速に増加した後、2040(令和 22)年に向けてその増加
は緩やかになる一方で、既に減少に転じている生産年齢人口は、2025 年以降さらに減少
が加速する。
いわゆる団塊の世代が全て 75 歳以上となる 2025 年、その後の生産年齢人口の減少の
加速等を見据え、患者・利用者など国民の視点に立った医療・介護の提供体制を構築し、
国民一人一人の自立と尊厳を支えるケアを将来にわたって持続的に実現していくことが、
医療及び介護の総合的な確保の意義である。
第
章
6
2 地域医療介護総合確保基金
「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」(平成元年法律第 64
国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現
号)に基づき、消費税増収分等を活用した財政支援制度(地域医療介護総合確保基金)を
創設し、各都道府県に設置している。都道府県は、「地域における医療及び介護を総合的
に確保するための基本的な方針」
(総合確保方針)に即して、かつ、地域の実情に応じて、
地域における医療及び介護の総合的な確保のための事業の実施に関する計画(都道府県計
画)を作成し、地域医療介護総合確保基金を活用しながら、当該計画に基づく事業を実施
することとしている。地域医療介護総合確保基金については、都道府県において毎年度事
業の評価を行うとともに、医療介護総合確保促進会議においても議論されることとなって
おり、基金が有効に活用されるように取り組んでいくこととしている。
第2節
安心で質の高い医療提供体制の構築
1 質が高く効率的な医療提供体制の構築
我が国の医療提供体制は、国民皆保険制度とフリーアクセスの下で、国民が必要な医療
を受けることができるよう整備が進められ、国民の健康を確保するための重要な基盤と
なっている。
しかし、急速な少子高齢化に伴う疾病構造の多様化、医療技術の進歩、国民の医療に対
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令和 6 年版
厚生労働白書