令和6年版厚生労働白書 全体版 (236 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
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(6)特定の労働分野における労働条件確保対策
第
章
1
技能実習生については、違法な時間外労働、賃金不払残業、労働災害防止の措置の未実
施など、法定労働条件に問題があると考えられる実習実施者に対して重点的に監督指導を
実施し、確認した法違反の是正を指導しており、中でも労働搾取目的の人身取引が疑われ
働き方改革の推進などを通じた労働環境の整備など
る事案については、外国人技能実習機構等との合同監督・調査を実施し、重大又は悪質な
事案に対しては厳正に対処している。
自動車運転者については、依然として長時間労働の実態が認められるところであり、労
働基準関係法令のみならず改善基準告示の遵守徹底を図るための監督指導を実施するほ
か、地方運輸機関との相互通報制度を運用している。
また、累進歩合制度については、長時間労働を誘発するおそれがあることなどから、引
き続き、その廃止を指導している。
(7)司法処分について
労働基準監督機関が行った監督指導の結果、重大・悪質な法違反が認められた場合に
は、司法処分を含め厳正に対処しており、2022(令和 4)年における送検件数は 783 件
となっている。
2 賃金のデジタル払い
賃金の支払方法として、通貨のほか、銀行その他の金融機関の預金又は貯金の口座への
振込み等(労働者の同意を得た場合に限る)が認められてきた。
これらに加え、キャッシュレス決済の普及や送金サービスの多様化が進む中で、使用者
が労働者の同意を得た場合に、一定の要件を満たすものとして厚生労働大臣の指定を受け
た資金移動業者の口座への資金移動による賃金支払(いわゆる賃金のデジタル払い)が新
たに認められた(労働基準法施行規則の一部を改正する省令(2022(令和 4)年 11 月 28
日厚生労働省令第 158 号)
、2023(令和 5)年 4 月 1 日施行)
。
これを受けて、厚生労働省においては、リーフレット等を厚生労働省ホームページに掲
載する等、賃金のデジタル払い制度の理解促進に取り組んでいる。
3 最低賃金制度について
日本では労働者の生活の安定や労働力の質的向上、事業の公正な競争の確保に資するこ
となどを目的として最低賃金制度を設けている。最低賃金制度は、国が法的強制力をもっ
て賃金の最低額を定め、使用者はその金額以上の賃金を労働者に支払わなければならない
こととするものである。
最低賃金には、各都道府県内の全ての使用者及び労働者に適用される地域別最低賃金
(適用労働者数約 5,245 万人、令和 3 年経済センサス-活動調査等により算出)と、特定
の産業の使用者及び労働者に適用される特定最低賃金(2024(令和 6)年 4 月 1 日現在、
224 件。適用労働者数約 283 万人)がある。
地域別最低賃金は、毎年公労使三者からなる中央最低賃金審議会が、厚生労働大臣の諮
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