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令和6年版厚生労働白書 全体版 (380 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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特措法は、病原性が高い新型インフルエンザや同様の危険性がある新感染症等に対し
て、国民の生命・健康を保護し、国民生活・国民経済に及ぼす影響が最小となるようにす
ることを目的とし、新型インフルエンザ等の発生時における措置の法的根拠の整備を図る
ものである。
また、新型インフルエンザ等対策の円滑な推進のため、新型インフルエンザ等対策閣僚
会議の下に設置された新型インフルエンザ等対策有識者会議における検討を踏まえ、
2013 年に関係政令が公布、施行され、「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」とガ
イドラインが策定された。なお、本行動計画及びガイドラインについては、新型コロナウ
イルス感染症への対応の経験等を踏まえ、抜本的に改定することとなった。

(3)抗インフルエンザウイルス薬の備蓄とワクチン供給体制について

抗インフルエンザウイルス薬については、新型インフルエンザの発生に備え、行動計画

に基づき国民の全罹患者数(被害想定において全人口の 25%が罹患すると想定)の治療
その他の医療対応に必要な量を備蓄目標とし、国と都道府県などにおいて備蓄を行ってい
る。なお、2022(令和 4)年には、最新の科学的な知見に基づき、新たな抗インフルエ
健康で安全な生活の確保



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ンザウイルス薬を備蓄対象に追加した。
ワクチンについては、これまで鶏卵培養法では 1 年半~2 年を要する全国民分の新型イ
ンフルエンザワクチンの生産期間を約半年に短縮することを目的として、2009(平成
21)年度補正予算で「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備臨時特例交付金」
を措置し、細胞培養法による新型インフルエンザワクチンの生産体制の整備を図った結
果、2018(平成 30)年度末までに全国民分のワクチン生産のための実生産施設が整備さ
れた。
現在、危機管理上の重要性が高い亜型の発生に備え、細胞培養法により安定的に製造で
きる技術開発を推進している。
また、高病原性の鳥インフルエンザに由来する新型インフルエンザの流行に備え、新型
インフルエンザ発生初期に医療従事者や国民生活・国民経済の安定に寄与する業務に従事
する者に特定接種(特措法第 28 条で規定する「特定接種」をいう。以下同じ。
)が行える
よう、プレパンデミックワクチンの製造・備蓄を進めている。

(4)鳥インフルエンザ対策について

鳥インフルエンザは、一般的に鳥類がかかる病気であるが、感染した鳥やその臓器にふ

れるなどの濃厚接触をした場合、稀に人に感染することがある。
その中で、鳥インフルエンザ(H5N1 亜型)については、東南アジアを中心に、中東、
アフリカなどにおいて、2003(平成 15)年から 2023(令和 5)年 12 月 21 日までの間
に、882 人の感染者(うち死亡者 461 人)が WHO において報告されている。また、
2013(平成 25)年 3 月以降、中国を中心に鳥インフルエンザ(H7N9 亜型)の患者が発
生しており、2024(令和 6)年 2 月 22 日までに、1,568 人の感染者(うち死亡者 616 人)
が WHO において報告されている。鳥インフルエンザ(H5N1 亜型、H7N9 亜型)は感
染症法上の 2 類感染症に位置づけられており、国内で患者が確認された場合には、入院勧
告などの適切な措置を講ずることとされている。また、極めて稀ではあるが、H5N1 亜

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