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令和6年版厚生労働白書 全体版 (295 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

している。
なお、今後、調査・収容を実施する予定の埋葬地は旧ソ連地域の 53 か所となっている。
3 南方等戦闘地域における遺骨収集事業の実施
近年、残存する遺骨の情報が減少しているた
め、2006(平成 18)年度から、情報が少ない
ビスマーク・ソロモン諸島、パプアニューギニ
アなどの海外南方地域を中心に、現地の事情に
精通した民間団体に協力を求め、幅広く情報を
収集しているほか、2009(平成 21)年度から、


米国や豪州などの公文書館などに保管されてい
骨収集に必要な情報を収集している。

3



る当時の戦闘記録等資料の調査を行うなど、遺
パプアニューギニアにおける遺骨収集事業

度は、390 柱相当の遺骨の DNA 鑑定用検体を採取した。
4 戦没者遺骨鑑定センターにおける取組み
遺骨の科学的な鑑定体制を強化するため、2020 年 7 月に厚生労働省に戦没者遺骨鑑定
センターを立ち上げ、外部専門家も登用し、遺骨鑑定に関する研究等に取り組んでいる。
2022(令和 4)年 9 月には、さらなる鑑定体制の強化を図るため、鑑定機関(大学)へ
の委託に加えて、厚生労働省自らが DNA 鑑定を実施する分析施設(戦没者遺骨鑑定セン
ター分室)を設置した。
また、法医学、人類学等の専門的知識を有する者で構成する「戦没者遺骨鑑定センター

自立した生活の実現と暮らしの安心確保

こうして収集された情報をもとに、2023 年

運営会議」において、戦没者遺骨鑑定の状況や新たな鑑定技術の活用等について議論を
行っている。さらに、日本人の遺骨であるか否かを判断するための「所属集団判定会議」
及び遺族に返還するために身元を特定する「身元特定 DNA 鑑定会議」を定期的に開催し、
その結果を公表するとともに、
「戦没者の遺骨収集に関する有識者会議」への報告等を
行っている。
5 遺留品等の手掛かり情報がない戦没者遺骨の身元特定のための DNA 鑑定の実施
収容した戦没者の遺骨については、遺留品等から身元が判明した場合には遺族に返還し
ている。2003(平成 15)年度からは、遺留品や埋葬地記録等から遺族を推定できる場合
などであって遺族が希望する場合に、身元特定のための DNA 鑑定を実施している。
また、遺留品や埋葬地記録等の情報がある場合は限られていることから、2017(平成
29)年度には沖縄県の、2020 年度は硫黄島及びキリバス共和国ギルバート諸島タラワ環
礁の、手掛かり情報がない戦没者の遺骨について、公募により身元特定のための DNA 鑑
定を試行的に実施し、硫黄島の戦没者遺骨 2 柱、キリバス共和国の戦没者遺骨 2 柱につい
て、それぞれ身元が判明した。
これらの試行的取組みの結果を踏まえ、2021(令和 3)年 10 月から、対象地域を厚生
労働省が遺骨の検体を保管している全地域に拡大し、遺留品等の身元特定につながる手掛

令和 6 年版

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