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令和6年版厚生労働白書 全体版 (148 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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2

体的な健康の改善のみならず、こころの健康

(参考文献)

の維持にも有益である可能性がある。

Cree RA, Okoro CA, Zack MM, Carbone

こころの健康に関する取組みの現状

高齢化の進展により、日常生活における機

E.“Frequent Mental Distress Among

能制限のリスクが高い高齢者の増加が見込ま

Adults, by Disability Status, Disability

れるなか、人々がこころの健康を維持しなが

Type, and Selected Characteristics —

ら安心して暮らしていくことができる社会を

United States 2018.” MMWR Morb

実現するためにも、こうした取組みは引き続

M o r t a l W k l y R e p , 2 0 2 0;6 9(3 6):

き重要であるといえるだろう。

1238-1243.

図:機能制限別にみた K6 に対する影響
コミュニケーション

セルフケア

認知

歩行

聴覚

視覚

機能制限
(どれかが該当)
0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

1.6

1.8

2.0

注:処置をそれぞれの機能制限、コントロールを機能制限のない者とし、同様の傾向スコアマッチングを行った分析結果。
K6を被説明変数とした場合の機能制限の係数。誤差範囲は95%信頼区間。



精神障害にも対応した地域包括ケアシステム

(精神障害にも対応した地域包括ケアシステムは、地域共生社会を実現する仕組みである)
近年の我が国の地域精神保健医療福祉は、
「入院医療中心から地域生活中心」という政
策理念のもとで様々な施策を行ってきた。こうしたなかで精神障害の有無や程度にかかわ
らず、誰もが安心して自分らしく暮らすことができる地域づくりを進める必要性が高まっ
ている。
「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」は、こうした必要性を踏まえ、精神障
害のある人の地域移行を、地域において具体的な政策手段により一層実現し、精神障害の
ある人が安心して、地域の一員として自分らしい暮らしをすることができるような方策を
検討するための新しい基軸として、厚生労働省の検討会*17 において示された考え方であ
る(図表 2-2-7)。
「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」は、従来から構築されてきた地域包括
ケアシステムを活用し、精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしく
暮らすことができるよう、医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加(就労など)
、地域
の助け合い、普及啓発(教育など)が包括的に確保された支援体制である。同システム
は、制度・分野の枠や「支える側」と「支えられる側」という従来の関係を超えて、人と
人、人と社会のつながり、一人ひとりが生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らして
いくことのできる包摂的なコミュニティや地域社会、すなわち地域共生社会を実現するた
めに必要な「システム」
、「仕組み」である。
* 17 「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」。

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令和 6 年版

厚生労働白書