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令和6年版厚生労働白書 全体版 (76 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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1

の診断分類である DSM-5 も国際的に広く知

が発効され、収載されている分類項目は、約 3 万 5 千
項目に及ぶ。現在、我が国においても ICD-11 に準拠
した新しい統計基準を作成し、国内で適用するための
準備が行われているところである。

られている。

こころの健康を取り巻く環境とその現状

(注釈)ICD については、現行の「疾病、傷害及び死因の統計
分類 ICD-10(2013 年版)準拠」に基づく記述を
行ったが、2022(令和 4)年に、WHO より ICD-11

(1)うつ病

うつ病は、気分(感情)障害に分類される代表的な疾患のひとつである。一日中気分が

落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった心理的な自覚症状とともに、眠れない、
食欲がない、疲れやすいといった身体症状が現れる。発症の原因は、現時点で正確には分
かっていないが、感情や意欲を司る脳の働きに何らかの不調が生じているものと考えられ
ている。
その背景には、精神的ストレスや身体的ストレスなどが指摘されることが多いが、辛い
体験や悲しい出来事のみならず、結婚や進学、就職、引越しなどといった嬉しい出来事の
後にも発症することがある。こうした環境要因以外にも、義務感が強く仕事熱心といった
性格傾向や、遺伝的要因、がんや糖尿病といった慢性的な身体疾患、妊娠出産や更年期障
害などの内分泌変化も発症要因のひとつである。
このように、うつ病を引き起こす要因はひとつではなく、生活の中の様々な要因が複雑
に結びついて発症している。
日本では、100 人に 6 人程度が生涯のうちにうつ病を経験しているという調査結果があ
り、また、女性の方が男性よりも約 1.6 倍多いことが知られている。

MEMO

簡易抑うつ症状尺度(QIDS -J)による
うつ病チェックについて

うつ症状の度合いを「簡易抑うつ症状尺度
(QIDS -J)」を使って自らチェックすること

質問票の 16 項目とは、

ができる。一人ひとりが自らの状態をチェッ

1.寝つき

クして、早期発見・早期予防につなげること

2.夜間の睡眠

が可能となるので紹介しよう。

3.早く目が覚めすぎる

簡易抑うつ症状尺度(Quick Inventory

4.眠りすぎる

of Depressive Symptomatology:QIDS

5.悲しい気持ち

-J)は、16 項目の自己記入式の評価尺度で、

6.食欲低下

うつ病の重症度を評価できるほか、アメリカ

7.食欲増進

精神医学会の診断基準 DSM-5 の大うつ病性

8.体重減少(最近 2 週間で)

障害(中核的なうつ病)の診断基準に対応し

9.体重増加(最近 2 週間で)

ているという特長を持っている。

10.集中力/決断

世界的に知られた精神科医である John

60

作成された。

11.自分についての見方

Rush 氏によって開発され、世界 10ヶ国以上

12.死や自殺についての考え

で使用されている。日本語版は、慶應義塾大

13.一般的な興味

学医学部の藤澤大介医師のグループによって

14.エネルギーのレベル

令和 6 年版

厚生労働白書