令和6年版厚生労働白書 全体版 (167 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
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こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に
(4)「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築に向けて
(こころの不調を抱える人を支援するため、地域の社会資源を把握することも重要)
「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」は、地域における制度・分野の枠や、
「支える側」と「支えられる側」という従来の関係を超えて、人と人、人と社会のつなが
り、一人ひとりが生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らしていくことのできる包摂
的なコミュニティや地域社会であり、地域共生社会の実現に向かう上では欠かせない仕組
みである。
していく取組みとともに、こころの不調を抱える人をしっかりと支援できる体制を構築し
ていくことが必要である。
こころの不調を抱える人に対し、保健・医療・福祉などの関係機関が重層的に連携した
支援を提供するためには、市町村や保健所等において、地域におけるこころの不調を抱え
る人の状況や社会資源を把握し、
「見える化」を図ることも重要であり、精神保健医療福
*6
の活用等が求められる。
祉資源を分析したデータベース「ReMHRAD」
その上で、地域の資源や支援体制等、地域の実情に応じて、関係者が協議の場を持ち、
連動していくことが重要である。精神科病院協会や医師会等の関係団体、精神科医療機
関、保健関係者の参加が少ないとの指摘もされていることから、市町村においては積極的
にこれらの関係団体等の参加を求めていく必要もあるだろう。
また、重層的な連携による支援体制が、こころの不調を抱える人の困りごと等に対し
て、必要な時に適切な支援を行いうるものであるためには、各関係者がお互いの専門性や
支援内容を知り、相互補完的かつ連続的に支援できるようになることが欠かせない。その
ため、顔の見える関係の構築推進を目的とした多職種の協働・連携に関する研修の実施な
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こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に
あるが、
「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」を通じ、こうした社会像を実現
章
し、自立していくための包括的な支援体制を構築するなかで目指していく地域社会の姿で
第
地域共生社会は、生活困窮者など地域に暮らす様々な事情を抱える人が、地域に参加
どにより、支援体制の担い手を育成・確保していくことが望まれる。
2 こころの不調を予防するための対策の推進
(1)孤独・孤立対策の推進
(内閣府を中心に、官・民・NPO 等が連携して孤独・孤立対策に取り組んでいく)
孤独・孤立対策推進法に基づき、孤独・孤立対策を推進するための体制として、内閣府
に、特別の機関として「孤独・孤立対策推進本部」(本部長:内閣総理大臣、構成員:全
閣僚)が設置された。今後、政府においては、内閣総理大臣及び内閣府特命担当大臣(孤
独・孤立対策)のリーダーシップのもと、孤独・孤立対策推進本部を中心に、孤独・孤立
の状態にある当事者等を取り巻く地方公共団体、当事者等への支援を行う NPO 等とも連
携・協働を図りながら、孤独・孤立対策に取り組み、支援を必要とする人に対し、より一
層的確に支援を届けていくことが重要である。
*6
地域精神保健医療福祉資源分析データベースのことであり、我が国の都道府県、二次医療圏、市区町村などの区分別の、精神保健福祉資
料における指標の状況、精神科病院に入院している方の状況、訪問看護ステーション・障害者総合支援法の各障害福祉サービス等の事業
所の多寡、各社会資源の位置情報等について表示するデータベースのこと。
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厚生労働白書
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