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令和6年版厚生労働白書 全体版 (328 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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医薬品・医療機器・再生医療等製品の研究開発・実用化を目指すベンチャーを育てる好循
環(ベンチャーのエコシステム)の確立を図ることが課題となっている。
このため、厚生労働大臣の私的懇談会として「医療のイノベーションを担うベンチャー
企業の振興に関する懇談会」を開催し、2016(平成 28)年 7 月 29 日に報告書が示され
た。
この報告書の提言等に基づき、厚生労働省では「ベンチャー等支援戦略室」を医政局に
設置し、医療系ベンチャーを育てるエコシステムの確立に向けて、
「エコシステムを醸成
する制度づくり」、「エコシステムを構成する人材の育成と交流の場づくり」


『オール厚
労省』でのベンチャー支援体制の構築」を「3 つの柱」とした取組みを行っている。
2017(平成 29)年から毎年 10 月には、ベンチャーと大手企業やベンチャーキャピタ
ル等とのビジネスマッチングに資するイベント「ジャパン・ヘルスケアベンチャー・サ
ミット」をパシフィコ横浜にて開催している。また、2018(平成 30)年 2 月にはベン
チャーやアカデミア等に対する相談体制を整備し、法規制対応、知財、事業計画、海外展
開等のプロセスを各分野の専門家が総合的に支援する「医療系ベンチャートータルサポー
ト事業」を開始し、Web サイトの開設及び日本橋にオフィス(Medical Innovation
Support Office:MEDISO)を構えた。2018 年 2 月の立ち上げ以降、2023(令和 5)



5

年 12 月 31 日までに 1,332 件の相談に対応しており、MEDISO の更なる活用も含め、今
後も長期的視野に立った実効力のある支援策を講じていくこととする。
また、ヘルスケア領域においては、ヘルスケア分野の特徴に特化した形で、スタート

医療関連イノベーションの推進

アップの立場にたって振興・支援策を検討するため、その成長において直面する課題の解
決の方向性を導出することを目的として、2024(令和 6)年 2 月に「ヘルスケアスター
トアップ等の振興・支援策検討プロジェクトチーム」を立ち上げた。

第4節

医療の国際展開等

1 医療の国際展開の推進

国民皆保険制度や優れた医薬品、医療機器、医療技術等を誇る日本の医療システムは、

世界でも高く評価され、優れた制度である。
多くの新興国では、経済成長の中で、医療へのニーズや持続的なシステム構築への期待
が高まっているものの、公的医療保険等の制度や医療システム構築の経験・技術が乏し
く、また、人材も不足している。
そこで、日本が新興国等に対して、各国の実情を十分に踏まえつつ、高品質な日本の医
薬品、医療機器、医療技術等の提供を推進するとともに、日本が長年培ってきた経験や知
見をいかし、相手国の医療システムの構築に協力することに取り組んでいる。
医療の国際展開を通じて、日本の医療分野の成長を促進しつつ、相手国の医療水準向上
にも貢献し、国際社会における日本の信頼を高めることによって、日本にとっても新興国
等にとっても好循環となることを目指している。
なお、医療の国際展開については、政府の第 2 期「健康・医療戦略」(2020(令和 2)

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令和 6 年版

厚生労働白書