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令和6年版厚生労働白書 全体版 (71 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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改正薬事法の施行(平成26年(2014年))以降、精神科で治療を受けた10代患者において、市販薬を「主たる薬物」とする患者の割合が
増加している。
第 1 部 こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に
(2014年 0% → 2016年 25.0% → 2018年 41.2% → 2020年 56.4%→2022年65.2%)

全国の精神科医療施設における薬物依存症の治療を受けた
10 代患者の「主たる薬物」
全国の精神科医療施設における薬物依存症の治療を受けた
の推移

10代患者の「主たる薬物」の推移

12.0

(N=25)

2016

14.7

(N=34)

2022

(N=46)

16.7

24.0

12.0

16.7

16.7

25.0

8.3

0

2018

(N=39)

48.0

16.7

(N=12)

2020

4.0

こころの健康を取り巻く環境とその現状

2014

7.7

20.6

7.7

0

41.2

5.9

17.6

56.4

12.8

15.4

0
4.3 10.9
0%
覚醒剤

65.2

6.5
20%

大麻

40%
危険ドラッグ

13.1

60%

80%

睡眠薬・抗不安薬

市販薬

1



0



図表 1-1-51

100%
その他

資料:令和 4 年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業)分担
出典:全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査(2022年)(国立精神・神経医療研究センター)
研究報告書「全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査」に基づき、厚生労働省医薬局作成
1
(令和4年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(医薬品医療機器等レギュラトリ-サイエンス政策研究事業))

(市販薬の入手経路は、インターネットを介した入手の割合が次第に大きくなっている)
また、同調査によると、過去 1 年以内に市販薬の使用(治療薬として適切に用いた場合
を除く)が認められた症例における入手経路については、薬局(71.5%)が圧倒的に多
く、次いで店舗(22.2%)、インターネット(16.4%)という順であった。市販薬を薬局
などから入手する傾向は従来から変わらないものの、医薬品の EC(電子商取引)比率
(2022 年は 8.24%(化粧品も含む))を考慮するとインターネットを介した入手経路は無
視できるものではなく、また、インターネットを介した入手の割合が少しずつ大きくなっ
ていることに注目する必要がある。
(オーバードーズの背景に、若者の「生きづらさ」を指摘する声も多い)
若者が市販薬のオーバードーズに至る背景について、
「生きづらさ」を指摘する声も多
い。先述の全国の高校生を対象とした調査で、過去 1 年以内に市販薬の乱用経験があると
回答した高校生の傾向を分析した結果、非経験者と比べて、睡眠時間が短い、朝食の摂食
頻度が低い、家族全員での夕食頻度が低い、大人不在で過ごす時間が長い、親しく遊べる
友人や相談ができる友人が少ない、インターネットの長時間使用(1 日 6 時間以上)の割
合が高いなどの生活上の特徴がみられた。こうした特徴から、安心して一緒に過ごせる人
が身近におらず、孤独感を味わいながら、昼夜、自分の居場所を探している若者たちの姿
が「生きづらさ」の実像として浮かび上がる。
オーバードーズの問題は、市販薬の入手経路の在り方にとどまらず、背景にある若者の
「生きづらさ」に向き合う取組みの充実が求められる。

令和 6 年版

厚生労働白書

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