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令和6年版厚生労働白書 全体版 (117 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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第1部

こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に

う願いから、実際の悩みのほかにも、趣味の
話や生きがいについて語り合うことさえある。
とはいえ、半年という期間の中で、連絡や
しさを感じる時もあるという。そういった場

代の感覚に沿ったコミュニケーションを心が
けているという。
嬉しい発見もある。初回相談を終えた相談
者のうち、2 回目以降の相談でも対面でのコ
ミュニケーションを望む若者が、想定以上に
多かったことだ。スタッフの中でも新たな気

気持ちを整理することからサポート

づきだったという。どんなことでもまず傾聴
するという SODA の窓口には、また来たい

SODA では、精神科医、精神保健福祉士、

と思わせる雰囲気があるのだろう。「なんで

公認心理師など多職種の専門チームが、相談

も話せる保健室のように思ってもらいたいん

者に合った方法で問題解決に一緒に取り組

です。半年という期間の中で、スタッフも驚

む。初回相談の 1 時間で、生活状況やこころ

くような成長を見せる若い方もいらっしゃる

の不調の確認を行い、継続の希望があれば、

んですよ」。SODA の主任で精神保健福祉士

おおむね半年の間に複数回、相談支援を行

の小辻有美さんは、にこやかにそう話してく

う。時には、相談者の家族や学校関係者も同

れた。

こころの健康に関する取組みの現状

を試みる。直接電話するのではなく、若者世

2



合は、LINE でメッセージを送りアプローチ



相談が途絶えてしまう若者もおり、対応の難

席し、一緒に話すこともあるという。さら
に、個別就労支援(IPS)により、相談者が
希望する就職先を一緒に地域で探すことから
サポートし、就労に至るまで手厚く伴走する
こともある。もちろん、相談は何度でも無料
だ。
困りごとはなんでも OK、上手に話せなく
ても OK など、どのようなことでもワンス
トップで傾聴する姿勢で臨み、まずは相談者
の気持ちを整理するところからサポートして
いく。必要があれば、医療機関や様々な専門
機関への橋渡しも SODA から行う。根底に
あるのは、相談者をたらい回しにしたくない
という強い思いだ。相談者の状況に応じ、医

広がるつながりとさらなる可能性

開設以来、SODA は近隣の様々な機関へ

療機関への橋渡しにスタッフが同行すること

の電話や訪問を通じて、自らの活動の紹介を

もある。

行ってきた。その結果、教員などから相談を

保健室のように思ってもらえたら

相談者は、高校生や大学を卒業したての若

勧められた若者が来所することも多い。ま
た、相談者自身が周囲に SODA の存在を発
信してくれることで、新たな相談者の相談支

者が多い。相談内容は、不登校や就職など多

援につながるケースもあるそうだ。

岐にわたるが、本人の考えを否定せず、まず

「潜在的なニーズを自分たちだけで掘り起

受け止めることを何よりも大切にしている。

こしていくのは難しいので、こういった宣伝

「相談を楽しい場と思ってもらいたい」とい

効果は大きい。困っていそうな人がいたら話

令和 6 年版

厚生労働白書

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