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令和6年版厚生労働白書 全体版 (24 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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(2)壮年期・中年期

(仕事や家庭など社会における自らの役割を発見し、充実させていく時期にあたる)
25 歳前後以降の壮年期・中年期においては、社会的には、仕事や子育てなどに活動的

こころの健康を取り巻く環境とその現状

となる時期である。それぞれが選択したライフスタイルのなかで、仕事や家庭などにおけ
る自らの役割を発見し、充実させていく時期にあたる。一方で、そうしたなかでこころの
健康を脅かすような出来事に遭遇する場合もあり、たとえば、仕事では、就職や転職と
いったライフイベントに加え、長時間労働や職場におけるハラスメントなどの出来事がこ
ころの不調の要因となりうる。
また、この時期は、妊娠や出産といった身体に影響を与えうるライフイベントと向き合
う時期でもある。身体的な疾患への罹患を経験することも多くなり、たとえば、我が国の
死亡者数の約 6 割を占める生活習慣病は、壮年期・中年期以降に患う場合が多いとされる。
さらに、仕事や子育てに加え、親の介護も、この時期に経験する主要なライフイベント
のひとつであろう。自分ひとりで介護を抱えてしまうことにより、不安感や疲れやすさな
どの症状が現れるともいわれる。
以下では、妊娠・出産とこころの健康に関し、産後うつと周産期喪失に着目し、続い
て、子育てと介護についてもこころの健康の観点から詳しく取り上げる。また、身体的な
疾患への罹患とこころの健康の関係についても考察する。
なお、壮年期・中年期の主要なライフイベントである就業については、次項「働く環
境」でまとめて取り上げる。


産後うつ

(核家族化により産後の家族のサポートが得にくいといった社会的要因もある)
出産した女性の約 3~5 割が経験する「マタニティブルーズ」は、ホルモンバランスの
変化に伴う一過性のものと考えられているが、症状が長引くことで「産後うつ」に移行す
ることがある。産後の身体的な疲れや慢性的な睡眠不足などの生理的な要因に加え、核家
族化により産後の家族のサポートが得にくいといった社会的要因にも留意する必要がある
(図表 1-1-1)

図表 1-1-1

妊娠・出産時のうつ病で生じる悪循環

資料:妊娠・出産に伴ううつ病の症状と治療(厚生労働省「生活習慣病予防のための健康情報サイト」)

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令和 6 年版

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