令和6年版厚生労働白書 全体版 (164 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
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公認心理師の国家資格化と求められる役割
最近の国民が抱えるこころの健康の問題等
①心理に関する支援を要する者の心理状態の
観察、その結果の分析
をめぐる状況を背景に、保健医療分野、福祉
分野、教育分野、司法・犯罪分野など様々な
②心理に関する支援を要する者に対する、そ
領域において公認心理師が活躍している。
の心理に関する相談及び助言、指導その他
の援助
公認心理師は、心理学に関する専門的知識
第
章
3
及び技術を持って、心理に関する相談、援助
③心理に関する支援を要する者の関係者に対
等を行うことを業とする者である。2015
する相談及び助言、指導その他の援助
(平成 27)年に成立した公認心理師法と、国
④心の健康に関する知識の普及を図るための
こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に
教育及び情報の提供
家資格としての公認心理師の業務内容を紹介
しよう。
法制定の背景
試験・登録
公認心理師試験は、公認心理師法の定めに
公認心理師法は 2015 年に成立・公布され、
より年 1 回以上実施することとされており、
2017(平成 29)年に施行された。従来、
文部科学大臣と厚生労働大臣の指定を受けた
心理に関する資格としては臨床心理士があっ
指定試験機関・指定登録機関である公認心理
たが、民間資格であるため活躍の場が広がり
師試験研修センターが実施している。
合格者は、公認心理師登録簿に登録される
にくく、雇用が不安定であるなどの問題が指
摘され、国家資格が強く求められていた。こ
ことで公認心理師となる。
のような状況を背景に、心理学に関する専門
※
的知識及び技術を持って、心理に関する相
談、援助等の業務に従事する者である公認心
理師の資格を定め、資質の向上と業務の適正
を図ることにした。
業務内容
公認心理師の業務の内容は以下の通りであ
る。
資 格登録者数:71,987 人(2024(令
和 6)年 3 月末日現在)
活躍が期待される職場
心理職の専門性を高める目的で創設された
初の国家資格である公認心理師は、病院、児
童相談所、学校、裁判所、刑務所、少年鑑別
所、犯罪被害者支援などの現場の活躍が期待
されている。
(2)精神医療の提供体制
(平時と救急時の精神医療提供体制の充実が求められている)
精神医療の提供体制は、精神障害の有無や程度にかかわらず、地域で暮らすすべての人
が、必要な時に適切な医療を受けられるものとして確保していく必要がある。
その上で、精神医療の提供体制の充実には、こころの健康に関する本人の困りごと等へ
の支援を行う平時の対応を充実する観点と、精神科救急医療体制整備を始めとする精神症
状の急性増悪や精神疾患の急性発症等による患者の緊急のニーズへの対応を充実する観点
が重要である。
精神科医療機関の外来は、こころの不調を抱える人の困りごと等に接する機会も多く、
そうした機会を通じてこころの不調を抱える人とつながり続ける機能がある。本人が望む
場所でニーズに応じた治療が受けられる体制を構築する観点から、いわゆる「かかりつけ
精神科医」機能の充実と併せ、外来機能の強化は重要な課題となる。
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厚生労働白書