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令和6年版厚生労働白書 全体版 (348 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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また、医師臨床研修制度の見直しを検討し、2024 年 3 月に、更なる偏在対策等を含む
「医道審議会医師分科会医師臨床研修部会報告書」を取りまとめた。
3 新たな専門医の養成の仕組み
厚生労働省では、医師の質の一層の向上等を目的として、
「専門医の在り方に関する検
討会」を開催し、2013(平成 25)年 4 月に報告書を取りまとめた。報告書では、新たな
専門医の仕組みは、プロフェッショナルオートノミー(専門家による自律性)を基盤とし
て設計されるべきであり、また、医療を受ける患者の視点に立って、医師の地域偏在の解
消に向けて寄与するなど地域医療に十分配慮すべきであるとされている。
これを受けて、2018(平成 30)年度から新専門医制度における養成が開始されている。
その後も良質な医療を提供する体制に責任を有する国の立場から、医師のキャリアや地
域医療に対する配慮が継続的になされるような、安定した仕組みの構築が求められたこと
から、
「医療法及び医師法の一部を改正する法律」(平成 30 年法律第 79 号)に基づく医師
法(昭和 23 年法律第 201 号)の一部改正により、厚生労働大臣が、医師の研修を行う団
体に対し、医療提供体制の確保の観点から意見及び研修機会の確保の観点から要請を行う
こととされた。本改正法に基づき、医道審議会医師分科会の下に医師専門研修部会を設置
し、同部会の審議結果を踏まえ、厚生労働大臣から日本専門医機構等に対し、専攻医の都
市への集中抑制や柔軟なカリキュラム制などを内容とする意見・要請を通知してきた。特
に、専攻医の採用数の上限設定(シーリング)については、2020(令和 2)年度の専攻



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医募集から、より実態に即したシーリングの設定を行うため、都道府県別診療科別の必要
医師数を基に、日本専門医機構が足下の医師数が必要医師数を上回る都道府県・診療科に
一定のシーリングを設定している。

国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現

また、今後、高齢化に伴い、特定の臓器や疾患を超えた多様な問題を抱える患者が増え
ることから、総合的な診療能力を有する医師の専門性を評価し、
「総合診療専門医」とし
て新たに位置づけ、他の領域分野とともに 2018 年度から養成が開始されている。
4 医師の働き方改革
我が国の医療が医師の長時間労働によって支えられ、今後さらに、少子高齢化に伴う医
療ニーズの変化や医療の高度化、少子化に伴う医療の担い手の減少が進むなど、医療を取
り巻く環境が変化していく中で、医師の働き方改革を進めることは、医師自身が健康で充
実して働くことのできる環境を整備していくだけでなく、医療を受ける立場にある患者・
国民に対し、質の高い安全な医療を持続可能な形で提供する体制を維持していく上での喫
緊の課題である。
医業に従事する医師(勤務医)については、2024 年 4 月から時間外・休日労働の上限
規制が適用され、原則として年間 960 時間以下/月 100 時間未満(いわゆる A 水準)と
なっているが、地域医療の確保や集中的に技能を向上させるために必要な研修実施の観点
から、やむを得ず長時間労働となる医師については、医療機関が医療機関勤務環境評価セ
ンターによる労務管理体制等についての評価を受け、特定地域医療提供機関(B 水準対象
機関)
、連携型特定地域医療提供機関(連携 B 水準対象機関)、技能向上集中研修機関
(C-1 水準対象機関)、特定高度技能研修機関(C-2 水準対象機関)として都道府県知事の

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令和 6 年版

厚生労働白書