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令和6年版厚生労働白書 全体版 (77 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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第1部

こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に

であり、たとえば項目「5.悲しい気持ち」
0 点.悲しいとは思わない

と点数化されている。
16 項目の点数を、計算式を使って計算し、
うつ病の重症度が解るようになっている。

1 点.悲しいと思うことは、半分以下の時
間である
2 点.悲しいと思うことが半分以上の時間
ある

1

(参考)質問票等は、以下を参照のこと。
h t t p s:/ / w w w . m h l w . g o . j p / b u n y a /
shougaihoken/kokoro/dl/02.pdf

(2)双極性障害(躁うつ病)

双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す病気である。うつ病と同じ気分(感情)障

こころの健康を取り巻く環境とその現状

であれば、

じている



16.落ち着かない

3 点.ほとんどすべての時間、悲しいと感



15.動きが遅くなった気がする

害に分類されるが、うつ病とは異なる病気であり、治療法も異なる。
ハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態をいったりきたりする
のが双極性障害の特徴とされ、躁状態になると、眠らなくても活発に活動する、次々にア
イデアが浮かぶ、自分が偉大な人間だと感じられるといったことがみられ、とても気分が
よく感じられるため、本人には病気の自覚がないことが多い。そのため、うつ状態では病
院に行く人でも、躁状態の時には治療を受けないことがよくある。しかし、うつ病だけの
治療では双極性障害を悪化させてしまう場合がある。このため、本人だけでなく、周囲の
人も、日頃の様子や気分の波を見守り、躁状態に気づくことが大切である。
日本では、双極性障害と診断される患者の頻度は重症・軽症をあわせても 100 人に 4~
7 人弱といわれている。

(3)適応障害

適応障害は、神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害に分類される。日常

生活の中で起こった出来事や、主に職場や学校などの環境に対して対処が困難である時
に、病気や大切な人との離別、人間関係のもつれなど何らかのストレスが原因となり、心
身のバランスが崩れて、憂うつな気分、不安感、頭痛、不眠などの様々な症状が出る状態
である。こうした症状は、日常生活のなかで誰にでも起こりうる症状であるが、適応障害
の場合は、そのストレス原因から通常予想される程度をはるかに超えるものであったり、
仕事や学業、対人関係といった社会生活に支障が生じたりするほどの状態となる。

(4)統合失調症

統合失調症は、幻覚や妄想、まとまりのない思考や行動、意欲の欠如などの症状を示す

疾患である。幻聴や妄想など健康な時にはなかった状態が現れる「陽性症状」と、意欲や
感情表現が減るなど、あったものが失われる「陰性症状」がある。周囲からみると、独り
言を言っている、実際はないのに悪口を言われたなどの被害を訴える、話がまとまらず支
離滅裂になるなどのサインとして現れる。
罹患率は 100 人に 1 人弱といわれており、思春期から青年期に発症するケースが多くみ

令和 6 年版

厚生労働白書

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