令和6年版厚生労働白書 全体版 (250 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html |
出典情報 | 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
り出しに向けた作業等、高線量下における作業が見込まれることから、2015(平成 27)
年 8 月に策定した「東京電力福島第一原子力発電所における安全衛生管理対策のためのガ
第
章
1
イドライン」に沿った安全衛生確保措置等の指導等を行っている。また、労働時間や賃金
等の適切な労働条件が確保されるよう、東京電力及び関係事業者に指導等を行っている。
東電福島第一原発事故の緊急作業従事者(約 2 万人)については、
「原子力施設等にお
働き方改革の推進などを通じた労働環境の整備など
ける緊急作業従事者等の健康の保持増進のための指針」に基づき、被ばく線量に応じたが
ん検診等や、健康相談、保健指導を実施するとともに、被ばく線量や健康診断等の情報を
蓄積するデータベースを構築し、緊急作業従事者の長期的な健康管理を行っている。
また、緊急作業従事者の放射線による健康影響を調査するため、緊急作業従事者を対象
とした疫学研究を継続している。
さらに、廃炉等作業員の健康支援相談窓口を設置し、労働者・事業者双方から健康支援
に関する相談を受け付けている。
2 除染等業務等における安全衛生と労働条件の確保
東電福島第一原発事故により放出された放射性物質の除染等作業、廃棄物の処理等にお
ける被ばく線量管理等を定めた「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された
土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則」等が遵守されるよう、除
染等業務等を行う事業者に対して重点的な監督指導を実施している。また、これらの業務
に従事する者の被ばく線量を管理する民間の取組みである除染等作業従事者等被ばく線量
登録管理制度への参加を促進している。
3 復旧・復興工事における災害防止対策
自然災害が発生した際には、その被災地においては、復旧・復興に向けた各種の建設工
事等が実施されることから、これらの作業に従事する方々の労働災害を防止するため、安
全衛生専門家による工事現場の巡回指導、安全衛生教育支援等を実施している。
4 本格的な震災復興に向けた取組み
現在の被災 3 県(岩手県、宮城県、福島県)の雇用情勢は、有効求人倍率が 3 県ともに
1 倍を上回っているものの、雇用のミスマッチも見られる。
厚生労働省では、こうした雇用のミスマッチを解消するため、被災者に寄り添った就労
支援として、産業政策と一体となった雇用の創出を図るとともに、求職者の状況を踏まえ
たきめ細かな職業紹介等に努めている。
(1)被災地の雇用創出
「緊急雇用創出事業」により、被災により仕事を失われた方々の当面の雇用の確保や、
被災地域の本格的な雇用の創出に努めてきた。具体的には、原子力災害の影響を受けた福
島県の被災求職者の一時的な雇用を確保し、生活の安定を図る「原子力災害対応雇用支援
事業」を実施している。また、被災地における深刻な人手不足や雇用のミスマッチに対応
するため、産業政策と一体となって雇用面を支援する「事業復興型雇用確保事業」によ
234
令和 6 年版
厚生労働白書