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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (106 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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ルギーとすることとした。
なお、特定の疾患の管理を目的としてたんぱく質摂取量の制限や多量摂取が必要な場合は目標量で
はなく、そちらを優先すべきである。
・妊婦・授乳婦(目標量)
1歳から 64 歳の年齢区分(非妊婦及び非授乳婦)と同様に、18~49 歳〔身体活動レベル「低い」〕
の妊婦及び授乳婦のたんぱく質の推奨量(g/日)を%エネルギーで表現すると、妊婦(中期)は 11.0
~11.3%エネルギー、妊婦(後期)は 13.6~14.0%エネルギー、授乳婦は 13.3~13.7%エネルギーとな
る。しかし、妊婦においては、中期以降の付加量を必要としていることを踏まえると、少なくとも非
妊婦より目標量(下限)を下げる根拠は乏しい。そのため、目標量(下限)は妊婦(初期・中期)で
13%エネルギー、妊婦(後期)及び授乳婦で 15%エネルギーとした。なお、妊婦及び授乳婦の目標量
(上限)については、十分な報告がないため、非妊婦及び非授乳婦と同じ値とした。
3-3-3 エビデンスレベル
目標量に関連する研究は複数報告されているものの、摂取した栄養素の「量」を評価した研究が非
常に限られていることから、エビデンスレベルを D2 とした。

4 生活習慣病等の重症化予防
たんぱく質が関与し重症化予防の対象となる重要な疾患として、フレイル(サルコペニアを含む)
及び慢性腎臓病がある。なお、研究報告はあるものの、その数及び質が十分でなく、一定の結論が得
られていないと判断されたものはここでは触れなかった。
4-1 フレイル
フレイル又はフレイルの前段階であるプレフレイルを有する者を対象に、プレフレイルからフレイ
ルへの移行やフレイルの重症化を検証したコホート研究があるが、結果は一貫していない 70,71)。この
ように、研究の数・質ともにまだ十分でなく、フレイルを改善させるためのたんぱく質摂取量に関し
て結論を出すことは難しい。詳細については、
『Ⅱ 各論、2 対象特性、2-3 高齢者』を参照されたい。
4-2 慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病(CKD)における食事療法として、腎臓の保護を目的にたんぱく質摂取量の制限が主眼
に置かれている。CKD へのたんぱく質摂取制限の有効性は、その制限量や CKD の進行ステージ、ま
たアウトカムとする腎機能の指標によって異なることが、複数のレビューやメタ・アナリシスによっ
て報告されている 72)。詳細については、『Ⅱ 各論、3 生活習慣病及び生活機能の維持・向上に係る
疾患等とエネルギー・栄養素との関連、(4) 慢性腎臓病(CKD)』を参照されたい。

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