「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (199 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
1 基本的事項
1-1 定義と分類
ビタミンB2 活性をもつ化合物の総称をビタミンB2 という。遊離型ビタミンB2 の化学名はリボフ
ラビン(図3)である。フラビンモノヌクレオチド(FMN)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)
が補酵素として機能する。通常の食品には、リボフラビンのほかに、FMN 及び FAD の形態でも存在
する。いずれも消化管でリボフラビンに消化された後、体内に取り込まれるため、リボフラビンと等
モルの活性を示す。
日本食品標準成分表(七訂)1)及び日本食品標準成分表(八訂)2)に従い、食事摂取基準の数値をリ
ボフラビン相当量として示した。
CH2OH
H
C
OH
H
C
OH
H
C
OH
CH2
H3C
H3C
N
N
O
NH
N
O
図 3 リボフラビンの構造式
(C17H20N4O6、分子量=376.4)
1-2 機能
ビタミンB2 は、FMN 及び FAD の形態で、酸化還元反応を触媒する酵素の補酵素として電子の授
受を行う。ビタミンB2 は、クエン酸回路(TCA 回路)、電子伝達系、脂肪酸のβ酸化などに関与す
るため、エネルギー産生において重要な役割を果たす。ビタミンB2 欠乏により、口内炎、口角炎、舌
炎、脂漏性皮膚炎などが起こる。
1-3 消化、吸収、代謝
生細胞中のリボフラビンの大半は、FAD 又は FMN として酵素たんぱく質と結合した状態で存在し
ている。食品を調理・加工する過程及び胃酸環境下でほとんどの FAD 及び FMN は遊離する。遊離し
た FAD 及び FMN のほとんどは、小腸粘膜の FMN ホスファターゼと FAD ピロホスファターゼによ
って加水分解され、リボフラビンとなった後、小腸上皮細胞において能動輸送で吸収される。すなわ
ち、食品に含まれるビタミンB2 の生体利用率は遊離型ビタミンB2 よりも低い。これは食品ごとに異
なり、同時に摂取する食品の影響も受けると推測される。我が国で摂取されているビタミンB2 の相
対生体利用率(遊離型ビタミンB2 の生体利用率に対する値)は 64%との報告がある 3)。
189