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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (157 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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脂質及び炭水化物については、それぞれの栄養素の質、すなわち、構成成分である個々の脂肪
酸や個々の糖の構成(特に飽和脂肪酸と食物繊維)に十分に配慮する。



何らかの疾患を特定してその疾患の発症予防を試みたり、その疾患の重症化予防を試みたりす
る場合には、期待する予防の効果とともに、これらの栄養素バランスに関する対象者の摂取実
態などを総合的に把握し、適正な構成比率を判断する。

6 今後の課題
次の 2 つの課題に関する研究を早急に進め、その結果を食事摂取基準に反映させる必要がある。


エネルギー産生栄養素バランスは、他の栄養素の摂取量にも影響を与える。これらの栄養素バ
ランスと食事摂取基準で扱っている他の栄養素の摂取量との関連を、日本人の摂取量のデータ
を用いて詳細に検討する必要がある。



脂質の目標量の上の値を算定するための根拠となる研究は世界的に見ても少ない。日本人の現
在の脂質摂取量の分布を考慮した上で、脂質目標量の上の値を算定するための根拠となる研究
(観察研究及び介入研究)を進める必要がある。また、個々の脂肪酸同士や他のエネルギー産
生栄養素との置き換えを考慮した研究も進める必要がある。

〈概要〉
エネルギーを産生する物質として、たんぱく質、脂質、炭水化物、アルコールがある。エネル
ギー産生栄養素バランスは、これらの栄養素及びその構成成分が総エネルギー摂取量に占める
べき割合(%エネルギー)であり、構成比率を示した。
これらの栄養バランスは、エネルギーを産生する栄養素及びその構成成分である各種栄養素の
摂取不足を回避するとともに、生活習慣病の発症予防及び重症化予防を目的とするものである。
エネルギー産生栄養素バランスを定めるためには、たんぱく質の目標量(範囲)を初めに定め、
飽和脂肪酸の目標量(上限)を算定し、それを参照して脂質の目標量(上限)を算定した。ま
た、必須脂肪酸(n-3 系脂肪酸、n-6 系脂肪酸)の目安量を参照して脂質の目標量(下限)を算
定し、これらの合計摂取量の残余を炭水化物の目標量(範囲)を算定した。

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