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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (178 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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④ ビタミンK
1 基本的事項
1-1 定義と分類
天然に存在するビタミンKには、フィロキノン(ビタミンK1)とメナキノン類がある。これらはナ
フトキノンを共通の構造として持ち、側鎖構造のみが異なる。メナキノン類のうち、栄養上、特に重
要なものは、動物性食品に広く分布するメナキノン- 4(ビタミンK2)と納豆菌が産生するメナキノン
- 7 である(図5)。
フィロキノン、メナキノン- 4 及びメナキノン- 7 は、ヒトにおける腸管からの吸収率や血中半減期
がそれぞれ異なり、生理活性も異なると考えられる 118,119)。ビタミンK1 に比して、ビタミンK2 の効
果が大きいことが報告されているが 120)、相対的な生理活性の換算は困難であるため、ビタミンKの
食事摂取基準は両者を区別せず、両者の合計量として指標(目安量)を算定した。分子量のほぼ等し
いフィロキノンとメナキノン- 4 についてはそれぞれの重量を、メナキノン- 7 は下記の式によりメナ
キノン- 4 相当量に換算した。
メナキノン- 4 相当量(mg)=メナキノン- 7(mg)×444.7/649.0

O
CH3

フィロキノン(ビタミンK1)
(C31H46O2、分子量=450.7)

CH3
CH3

O

CH3

CH3

CH3

O
CH3

メナキノン-4(ビタミンK2)
(C31H40O2、分子量=444.7)

CH3
CH3

O

CH3

CH3

CH3

メナキノン-7
(C46H64O2、分子量=649.0)

O
CH3

CH3
O

CH3

CH3

CH3

CH3

CH3

CH3

CH3

図5 フィロキノン、メナキノン- 4、メナキノン- 7 の構造式

1-2 機能
ビタミンKは、肝臓においてプロトロンビンやその他の血液凝固因子を活性化し、血液の凝固を促
進するビタミンとして見出された。ビタミンKの古典的作用は、肝臓において、血液凝固因子(第 II・
VII・IX・X 因子)にカルボキシ基を導入する酵素 γ-カルボキシラーゼの補酵素作用であるが、最近、
骨など肝臓以外におけるビタミンK依存性たんぱく質の意義が注目されている。具体的には、ビタミ
ンK依存性に骨に存在するたんぱく質オステオカルシンを活性化し、骨形成を調節すること、さらに、
ビタミンK依存性たんぱく質 MGP(Matrix Gla Protein)の活性化を介して動脈の石灰化を抑制するこ
とも重要な生理作用である 121)。

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