「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (145 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
断研究も我が国に存在する 45)。しかしながら、いずれの報告でも明確な閾値は示されておらず、量的
な議論は乏しい。そのため、これらの報告を目標量の算定に利用するのは難しいと考えられる。
ところで、近年の全国調査において、3~5 歳の小児における食物繊維摂取量の中央値は 8.7 g/日(男
児)、8.5 g/日(女児)と報告されている 46)。3 歳未満の小児については、我が国における摂取実態の
詳細は明らかになっておらず目標量を算定する根拠が乏しいことから、3~17 歳については成人と同
じ方法で目標量を算出することとした。なお、算出された目標量よりも現在の摂取量の中央値の方が
多い場合には、現在の摂取量の中央値を目標量とした。
・妊婦・授乳婦(目標量)
生活習慣病の発症予防の観点から見て、妊婦及び授乳婦が同年齢の非妊娠及び非授乳中の女性と異
なる量の食物繊維を摂取すべきとするエビデンスは見いだせない。したがって、目標量は妊娠可能年
齢の非妊娠及び非授乳中の女性と同じとした。
表2 食物繊維の目標量を算定するために参照した値(g/日)
性別
男性
女性
摂取量(中央値)1
計算値**
摂取量(中央値)1
計算値**
1~2 (歳)
7.08
-
6.91
-
3~5 (歳)
8.48*
7.42
8.00*
7.29
6~7 (歳)
10.07*
9.27
9.23*
9.18
8~9 (歳)
11.48*
11.03
10.41
10.86*
10~11 (歳)
12.13
13.21*
11.98
13.41*
12~14 (歳)
13.58
16.79*
13.61
16.40*
15~17 (歳)
13.21
19.47*
11.97
17.53*
18~29 (歳)
11.69
20.27*
10.61
17.30*↑
30~49 (歳)
12.45
21.94*
11.5
17.88*
50~64 (歳)
13.84
21.73*
13.44
18.06*
65~74 (歳)
16.23
20.61*
16.41
17.71*
75 以上 (歳)
15.8
19.79*
14.34
16.87*
年齢
1
平成 30・令和元年国民健康・栄養調査。
* 目標量の算定に用いた値。↑は、数値の丸め処理の後に上方に平滑化を行ったことを示す。
** 19.2(g/日)×〔性・年齢区分ごとの参照体重(kg)÷58.6(kg)〕0.75 として計算。
4-1-1-2 エビデンスレベル
以上のように、コホート研究を主な対象とした複数のメタ・アナリシスより、25 g/日以上の摂取が
望ましいことが示唆されているため、エビデンスレベルを D1 とした。
4-1-1-3 食物繊維測定法の変化を踏まえた目標量の捉え方
前述のように、食物繊維はその定義が定まっていない。測定法の進歩により測定可能な物質が増加
するに従い、食物繊維の枠に含まれる物質は増えている。日本食品標準成分表(七訂)3)では、食物繊
維はプロスキー変法で測定されており、この方法で測定されるのは高分子量水溶性食物繊維と不溶性
食物繊維であった。日本食品標準成分表(八訂) 1,2) では多くの食品の食物繊維成分値の測定に
135