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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (164 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
出典情報 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》
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µgRAE/日を 0~5 か月児の目安量とした。
6~11 か月児については、0~5 か月児の目安量を体重比の 0.75 乗で外挿すると、男児が 385 µgRAE/
日、女児が 380 µgRAE/日となるため、400 µgRAE/日を目安量とした。なお、母乳中のプロビタミンA
カロテノイド濃度は、乳児にどのように利用されるか解析されていないので、レチノール活性当量の
計算には加えていない。

3-2 過剰摂取の回避
3-2-1 摂取状況
過剰摂取による健康障害が報告されているのは、サプリメントを大量に摂取した場合や動物の肝臓
を大量に摂取した場合である 5)。
3-2-2 耐容上限量の策定方法
基本的事項
プロビタミンA(カロテノイド)からのビタミンA(レチノイド)への変換は厳密に調節されており、
必要に応じて体内でビタミンAに変換される。つまり、カロテノイドを大量に摂取しても過剰症を生
じるレベルまでレチノイドに変換されることはない。したがって、過剰症を起こすのは、ビタミンA
(レチノイド)だけである。したがって、耐容上限量はビタミンA(レチノイド)に対してのみ定め、
プロビタミンA(カロテノイド)は含めないこととした。
ビタミンAの過剰摂取による臨床症状について、肝臓障害、骨密度及び骨折、脂質代謝、胎児の奇
形、乳児では泉門膨隆及び頭蓋内圧亢進が挙げられる 23)。ここでは、急性過剰症に該当する肝臓障害
を回避する目的で、耐容上限量を定めた。ビタミンAの過剰摂取により、血中レチノール濃度及び血
中のレチノイン酸濃度が一過性に上昇する 24,25)。
・成人・高齢者(耐容上限量)
成人では肝臓へのビタミンAの過剰蓄積による肝臓障害 26) を指標にし、最低健康障害発現量
を 13,500 µgRAE/日とした。不確実性因子を 5 として耐容上限量は 2,700 µgRAE/日とした。なお、18
~29 歳男性では、丸め処理を行うと 800 µgRAE/日となるが、前後の年齢区分の値(900 µgRAE/日)
との連続性を勘案し、850 µgRAE/日とした。高齢者は、独自の値を設定できるだけの根拠が得られな
かったため、成人と同じとした。
・妊婦・授乳婦(耐容上限量)
妊婦では、
ビタミンA過剰摂取による胎児奇形の報告 27,28)を基に、
健康障害非発現量を 4,500 µgRAE/
日、不確実性因子を 1.5 とすると、付加量も含めた耐容上限量は 3,000 µgRAE/日となるが、成人と同
じ 2,700 µgRAE/日を参考とすることが望ましい。また、授乳婦については、耐容上限量に関するデー
タがほとんどないことから、妊婦・授乳婦の耐容上限量について、独自の値は設定しないこととした。
・小児(耐容上限量)
小児は、18~29 歳の耐容上限量を外挿して設定した。参照体重の関係で女児の方が男児よりも大き
な値となるため、男児の値を女児にも適用することにした。1~2 歳では 6~11 か月児の 600 µgRAE/
日よりも小さな値(500 µgRAE/日)となるが、600 µgRAE/日とした。

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