「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (66 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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る退職率の関連にはJ字型の関連が観察され、BMI が 18.5 未満でも、25.0 以上でも、BMI が 18.5~24.9
の集団よりも有意に退職率が高かった 30)。これらの研究は、総死亡率に直接は関連しないものの、BMI
がおよそ 25 以上の集団では、無視できない複数の健康障害等のリスクが生じる可能性が高いことを
示している。
60 歳以上の成人において BMI とフレイルの発症率を観察した 17 のコホート研究をまとめたメタ・
アナリシスでは、両者の間にU字型の関連が観察されており、BMI がおよそ 27 において最低の発症
率が観察されている 31)。また、BMI とのその後の骨折発生率の関連を調べた 17 のコホート研究(対
象者の平均年齢は 55 歳以上)をまとめたメタ・アナリシスでは、BMI がおよそ 25 未満で骨折リスク
が上昇することが観察されている 32)。類似の結果が日本人成人(40~74 歳)のコホート研究でも観察
されている 33)。これらの結果は、高齢者においては、肥満と同様又はそれ以上にやせが健康に与える
リスクへの配慮が重要であることを示している。
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BMI (kg/m2)
図3 健康な者を中心とした我が国の代表的な 2 つのコホート研究並びに 7 つのコホート研究の
プール解析における、追跡開始時の BMI(kg/m2)とその後の総死亡率との関係 22–24)
BMI の範囲の平均値(記述がない場合は中間値)をその群の BMI の代表値として結果を示した。●男性、〇女性。有意な結果に
*を記した。BMI の最小群又は最大群で最小値又は最大値が報告されていなかった場合はその群の結果は示さなかった。
(左)7 つのコホート研究のプール解析:BMI=23.0~24.9 kg/m2 の群に比較したハザード比。追跡開始時年齢=40~103 歳、平均追
跡年数=12.5 年、対象者数(解析者数)=男性 162,092 人、女性 191,330 人、死亡者数(解析者数)=男性 25,944 人、女性 16,036
人、調整済み変数=年齢、喫煙、飲酒、高血圧歴、余暇活動又は身体活動、その他(それぞれのコホート研究によって異な
る)。備考-追跡開始後 5 年未満における死亡を除外した解析。
(中)JPHC Study:BMI=23.0~24.9 kg/m2 の群に比較した相対危険。追跡開始時年齢=40~59 歳、平均追跡年数=10 年、対象者数
(解析者数)=男性 19,500 人、女性 21,315 人、死亡者数(解析者数)=男性 943 人、女性 483 人、調整済み変数=地域、年
齢、20 歳後の体重の変化、飲酒、喫煙、余暇での身体活動、教育歴。
(右)JACC Study:BMI=20.0~22.9 kg/m2 の群に比較したハザード比。追跡開始時年齢=65~79 歳、平均追跡年数=11.2 年、対象者
数(解析者数)=男性 11,230 人、女性 15,517 人、死亡者数(解析者数)=男性 5,292 人、女性 3,964 人、調整済み変数=喫煙、
飲酒、身体活動、睡眠時間、ストレス、教育歴、婚姻状態、緑黄色野菜摂取、脳卒中の既往、心筋梗塞の既往、がんの既往。
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