「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 (52 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html |
出典情報 | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(10/11)《厚生労働省》 |
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の範囲を目安とし、BMI が目標とする範囲内にある者(又は目標とする範囲外にある者)の割合を算
出する。
栄養素については、食事調査によって得られる摂取量の分布を用いる。しかしながら、食事調査法
に起因する測定誤差(特に過小申告・過大申告と日間変動)が結果に及ぼす影響の意味と程度を十分
に理解して評価を行う必要がある。集団においては、過小申告・過大申告が評価に与える影響が特に
大きい点に留意する。
推定平均必要量が算定されている栄養素については、推定平均必要量を下回る者の割合を算出する。
正しい割合を求めるためには確率法と呼ばれる方法を用いるべきであるが、現実的には確率法が利用
可能な条件が整うことはまれである 48)。そこで、簡便法としてカットポイント法を用いることが多い。
確率法とカットポイント法の概念をそれぞれ図 16 と図 17 に示す 48)。ただし、必要量の分布形が正
規分布から大きく歪んでいる場合は、カットポイント法で求めた値は真の割合から遠くなることが理
論的に知られており、この問題を有する代表的な栄養素は鉄である 48)。また、摂取量の平均値及びそ
の分布が推定平均必要量から大きく離れている場合も、カットポイント法で求めた値は真の割合から
y:人数、又は、集団に占める割合
離れてしまう。
0
50
100
推定平均
必要量
150
200
x:摂取量
(g/日)
図 16 集団における食事評価を行うための方法(確率法)の概念
実線は対象集団における摂取量の分布、点線はこの中で摂取量が不足している者によって構成される集団における摂取量の分布
を示す。不足者の割合は、(点線と x 軸で囲まれた部分の面積)÷(実線と x 軸で囲まれた部分の面積)で与えられる。
それぞれの摂取量において、ある確率で不足者が存在する。その確率は摂取量が推定平均必要量の場合に 50%であり、それより摂
取量が少ないところでは 50%より高く、それより摂取量が多いところでは 50%より低い。そして、推奨量付近で 2~3%となる。
この図は、摂取量の分布は正規分布に従うと仮定し、平均値を 96 g/日に、推定平均必要量を 65 g/日に、推奨量を 101 g/日に設定
した場合である。
目安量を用いる場合は、摂取量の中央値が目安量以上かどうかを確認する。摂取量の中央値が目安
量未満の場合は、不足状態にあるかどうか判断できない。
耐容上限量については、摂取量の分布と耐容上限量から過剰摂取の可能性を有する者の割合を算出
する。
目標量については、摂取量の分布と目標量から目標量の範囲を逸脱する者の割合を算出する。
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